世・界・一・周旅日記

 ・3月21日(木) アンタクヤ → アレッポ 大雨の国境越え

 6時頃に起される。タトルセスのバスはアンタクヤ直行ではなく、アダナで乗換えってことらしい。まあ、トルコのバスでありがちなパターンだ。一旦、オトガルで待たされて、トイレへ行こうとしてたらバスが来たと言われて乗り込む。ウツラウツラしては目が覚めるの繰り返しの感じだけど、いつもよりは割と寝てる方。乗換えても、また寝。JETという会社のバスは、珍しく女性パーサー。約4時間でアンタクヤ到着。着くや否や“アレッポ行きか?”とおっさんに言われ、隣に停まっていたバスに荷物が移される。モギさんのユーロ・キャッシュを、バス会社のおっさんが両替してくれて、無事、バス代5ミリオンが支払えた。シリア北端の都市アレッポまでは3時間の距離という。しばらくは、またバスに揺られることに。

 乗るうちにまた雨が降り出した。山道が続き、小さな赤い花が点々と咲き乱れている。晴れていたら結構きれいかも。1時間ちょいで国境到着。しかし、国境ってのは、どこも寂しいね。バスを降り、殺風景な建物で出国手続き。パスポートを預けて、判をポンともらって終了。しばらく走って、今度は入国手続。再び殺風景な建物に赴き(左画像)、入国カードらしきものをもらう。アラビア語なのでサッパリだが、バスの係委員の指示に従って記入。なぜか父母の名前まで。パスポートと共に渡すが、これが戻って来るまでに少々時間を要す。髭のおっさんたちが、ワイワイガヤガヤたむろっているが、そういかめしい雰囲気はなく、我々ジャポンにも好意的だ。結局、パスポートが手元に戻るまで30分以上かかった。それが済むと今度は荷物検査。PCなんかをチェックされるが、別にお咎めはなし。更に2回位パスポート・チェックがあって、どうにかこうにか無事通過。陸路での国境越えは、東南アジアの旅以来だ。ピンとこないけど、どうやらバスは既にシリア国内を走っているらしい。給油なのか何なのか、しょぼい商店兼食堂のようなところで、しばし停車。腹が減ったので聞くと、1ミリオンでカバブ(シリアではケバブはカバブなのだ)のようなものが食べられるというのでもらう。昨日の晩から何も食べてなかったので、ようやく人心地つく。

 再び寝。アレッポ到着は、結局3時過ぎ。雨はまだ降り続いている。とりあえず、安宿のあるらしい時計塔を目指そうと思うが、自分達の位置がよくわからない。すると、近くの代理店のおっさんが手招き。両替をして、いい宿も教えてやるという。とりあえず、トルコ・リラの残りはシリア・ポンドに替え、120ポンド程入手。案内されてスプリング・フラワーなる宿へ。ここはコンヤの情報ノートにも乗っていたアル・ラビとちゃうのか?まあ、そこそこきれいなので、350pのダブルにモギさんと共に落ち着く。少し日本語を話す宿のおっさんが、両替もすると言うが、市中の両替所をチェックしてみるとする。雨の中、荷物を持って歩いて疲れたので、しばし休息。

 6時位に出る。「歩き方」にはTCもOKと書いてあったが、両替所はキャッシュのみだったので、宿で替えることにする。町の中心部の時計塔から、しばらく行ったところに食堂が並んでいた。少しはずれの安そうなところへ入る。モギさんはチキン・カバブ、僕はキョフテならぬコフテ(モノは同じ)を頼み、ホブスというパンとサラダ等がつく。ライスプディングのようなドロっとした飲み物も頼んで50P。入国早々、実にミニマムな食事。明日はもっといいもん食べたいね。近くのチャイ屋で一服。トルコでは、ナルギレ(水パイプ)は最早観光用のシロモノだったけど、この国では依然ポピュラー。老いも若きも吸っている。テープ屋等をひやかしつつ宿に戻るが、酒屋がそこかしこに。いいわけ?ジンとラクならぬアラクを中心にワインやウイスキーも多少あり。シリアでは飲めないと聞いていたのでワインとラクを買い込んできたのに、こっちで土地の酒が飲めるならそちらの方がいい。シリア人たちの見た目も、そうトルコ人と大差ない。たまに赤いベール被りのおっさんや黒づくめのおばさんがいる位。人々の愛想はなかなか悪くない。

 宿に戻るが、やっぱり寒い。ヒーターと毛布を要求し、フロントでTC80ドル分を両替。これで1週間はもつでせう。夜になって、もう一人加わった日本人客が、情報ノートを取りに来る。彼はエジプトから北上してきたそうで、色々話しを聞く。モギさんは、明日ダマスカス移動のつもりなそうなので、明日は、僕もドミに移るとするか。寝る前にしばし談笑。“長く旅してると恋の一つもないんですか?”のようなことは日本でも訊かれたけど、ないです。大体、「寅さん」の映画じゃないんだから、そーゆーこたあ、そーそーないですって。それともオレだけ?何はともあれ、晴天を祈るです。

本日の出費:アレッポ行きバス500万L カバブ100万L 両替400万L→120sp(シリア・ポンド) 夕食50sp チャイ20sp パン10sp 宿代175sp 両替80ドルTC→3920sp 計600万L+255sp


 ・3月22日(金) アレッポ 2日目 もう一つの“微笑みの国”

本日の観光ポイント:アレッポ城

 同室のモギさんは、いつも早めに目覚ましをセットしてるが、止めてまた寝て、結局9時過ぎに起きる。晴天の今日は、差し込む日差しがとても暖かい。こりゃ半袖でオッケーかと思うが、考えてみれば肌をさらすのは好ましからざる国なのでありました。モギさんは、やはり今日ダマスカスへ向かうので、ドミへ移る。4ベッドで、昨晩会った日本の学生さんと、他に白人一人。3人で宿を出る。宿に、「歩き方」の取材のライターが来ていたっけ。バス・ターミナルのチェックがてらモギさんを見送ることに。市内で一番の高級ホテルアミール・パレスの少し南にバス亭が。ちと寂しいめで、本格的なものは他にあるみたい。でもダマスカス行きは頻発のようで、すぐにチケットを買えたみたい。構内の食堂で、また肉を薄パンで巻いたサンド。かなり腹が膨らむ。モギさんを見送った後、観光スタート。

 金曜はイスラム圏では日曜にあたる。従って銀行は勿論、この町の見所の一つであるスークもお休み。となると、見るべきところはアレッポ城である。一路東へ進んで行く。途中、大モスクとかケルヴァンサライ(隊商宿)跡などもあったようだけど、工事中みたいでよくわからんかった。アレッポ城は、ちょうど団体さんがドーッと来たので、少し時間をずらすことにし、城外を一周してみる。すぐ側にハマムあり。しかし、2.5kmもあって一苦労。ようやく入場。通常料金は200sp(シリア・ポンド 1sp=2.6円)だが、学生証を見せると15spに。カオサン製偽学生証役立ってます

  当然、中も広い。この国では週末なので、シリア人で賑わっている。見物開始早々、子供達に捕まる。ラタキアから来てる一群のうち7、8人に囲まれる。しかし、彼らは、インド人のように無礼でもなければ、トルコ人程馴れ馴れしくもない。子の一人が、いきなり絵葉書をくれ、“これも日本だ”みたいなこと言ってデジモンのメンコ?くれたり。ここいらの国で、子供にクレクレはさんざ言われたけど、こっちがもらったってのは初めてだ。例によってのデジカメ記念撮影になるが、最後は“騒いでごめんね”みたいなことも言う。集合時間らしく、慌てて帰って行ったが、いつまでもいつまでもこちらに手を振っていた。う〜ん、めんこいでないのシリアン・キッズ。シリア人は人がいいと聞いてはいたけど、大いに実感。

  アレッポ城(左画像)は紀元前からあった神殿を、中世に城に変えたものだそうだけど、広大なのに加え、上からの眺めが抜群。ハマムらしき跡や劇場跡もある。場内に博物館があって、別料金。ここも通常100spのところ、学生10spであります。子供だけでなく、お兄ちゃん連中も“ウエルカムトゥ・シリア”とか言ってくれる。更に、意外やベール女性が、向こうから“ハロー”なんて声をかけてくれたのも2回あり。上機嫌で城を出て、アルメニア人街を目指して北西へ。実に気持良く、笑顔で歩ける町(国)だね

 イミグレーション・オフィスの側の細い道を歩くが、大通りには全然抜けず、迷路に入りこんだような感じになっていく。すると、露店がいっぱい並んでいて、すごい人ごみ。メインのスークはお休みながら、こちらにももう一つスークがあるのだ。しかし、あまりに混み過ぎなので、早く抜け出したい。持ってるコンパスがいい加減で迷った後、見覚えのある高い建物が彼方に見えたので、そちら目指して歩き、どうにかアル・カンダク通りに出る。その一帯は、トルコから流れてきたアルメニア人が多く住んでいるそう。細い石畳の道が続き、ギリシャ正教会がチラホラ。アラブ系ではない金髪女性なんかも目立つ。交差するアル・タル通りに出ると、またかって感じのロシア語看板も多数。テープ屋にはアルメニアのミュージシャンのもあったりするのかな?時間が押してきたので、宿にも程近い博物館へ。

 しかし、辿りついてみるとクローズという。週末のせい?スークとここが開いてたら、この町は1日でオッケーだった感じ。ついでだから、明後日に備えてバス停チェック。やはり、本格的なバス停は、もう少し西にあった。宿からは1kmの距離で、あの荷物ではちと辛い。昨日、僕らが着いたバス停は、やはりトルコ等への国際バスがメインのとこらしい。今朝モギさんが旅立ったとこは、主に近距離用のマイクロバス乗り場だったようだ。ここで、ハマ行きは出てないかなあ。両替所や公園、銀行等もチェック。公園で靴磨きの子供から、靴底のソールを買う。去年から何かと問題の靴底金隠し、膨らみ過ぎてるせいか、歩いているとすごく辛いのだ。足の裏というのはツボが固まってる重要なところで、こういう状態を続けていると、健康に支障をきたしやしないかと不安になってくる。で、金隠しの上に更にソールを敷いてみる。少しラクにはなったが、代わりに、すこぶる靴がきつい。これはこの後も尾を引きそうな問題だ。

 天気はよいが、風邪が冷たい。日陰のところを歩くと、やっぱり肌寒い。日も暮れてきたところで一旦宿へ。割と品揃え豊富なテープ屋で、アレッポの歌手だというのを2本買う。宿へ戻って露天で買ったキーウイを食べていると、白人来る。イギリスはバーミンガムの出身とか。しばらくすると、もう一人の学生さんも。既に食事を終えた二人がチェスを始めたところで、僕も夕食へ。時計塔の近くのおかずが選べる食堂へ。羊肉の煮たのと麦飯で60sp。これにいっぱいのパンと生野菜がつくので、おかず一皿でも充分。シリア、意外やトルコ並みのものは食べられるではないか。味も同じくトマト系。周囲の映画館をチェック。4軒位あったが、どこもちょっと前のハリウッド映画(「チャーリーズ・エンジェル」とか)をやってる。看板は泥臭くて面白いけど、あまり見る気はせんなあ。明日に残ったのは、スーク巡りとハマムだけか。ま、マッタリいきますか。気持のいいとこではあるからね。宿に戻って、チェスを終えた学生さんとラク飲んで談笑。トルコの酒を早いとこ消化して、シリアの酒を買いたいから。意外にも、宿の周囲に酒屋が多くて拍子抜け。とまれ、この時期は、1,2ヶ月の旅を終え、そろそろ日本に帰るという学生が多い。エジプトから北上してきた彼は、この後イスタンからアウトだそうだ。1時近くに就寝。

本日の出費:軽食15+25sp チャイ5+10+10sp キーウイ30sp イチゴ25sp 水15sp
アレッポ城15+10sp ソール25sp テープx2 100sp 夕食60sp 計330sp


 ・3月23日(土) アレッポ 3日目 シリアズ・シリアス・プロブレム

 6時半に便意で目が覚める。軟便気味。ベッドに戻るが再び便意。今度は完全に液状。アチャー、シリアに入った早々下痢ピーすかぁ。原因は、昨晩食堂で飲んだ水か?シリアは水道水が飲めるはずなのだけど。“いい国だなあ”なんて浮かれて調子にのって警戒を怠ると、この有様だ。長く旅してる割に、一向に旅馴れないのがワタクシならではと申しますか。ただ、インドや中国の時のような細菌性のものではないようなので、正露丸を飲んでりゃ治るだろうとタカをくくっていた。ところが、午後になっても治らない。やれやれ。

 でも、明日移動の予定なので、残りの観光はしてしまいたい。昨日行ったら閉まってた博物館を再訪。建物内ならトイレもあるし。「歩き方」には6時までオープンと書いてあったが、実は3時半でクローズ。ここも学生証を提示すると15spになる。考古学系専門の展示で、物量はそこそこ。アイン・ダラーという遺跡は、日本の調査隊が発掘したものらしく、やっぱ行っておくべきだったか。そこからスークへ。しかし、病み上がり(いや、あがってないが)の体であの人ごみは辛い。おまけに朝からキーウイしか食べてないのでフラフラする。例の靴底問題もある。よい国なここでも金をせびるガキはやっぱりいたりして、どうも散々であります。目的の歯磨き用コップと果物だけ買って、早々に宿へ戻る。コップはよりによってインド製。あの、食堂で水飲む用に置いてあるやつ。これで飲むと、フツーの水でも腹壊す?

 マイクロバス・ターミナルでハマ行きを聞いたところ30spとのこと。宿でも扱っているが80spと高い。レセプションのオサマ曰く、“ターミナルではなく町の中心に行くバスなので、タクシー代がかからずに済む”とのこと。まあ信用してもいいかな。ただ、一応体調の様子を見た上で。宿のPCでネットするが、FTPサイトに接続できず。夜になって、薬を買いがてら、近所で見つけたネット・カフェへ。その名も“インターネット・コーヒー”。WinMeも入ってる最新環境で日本語もOKだが、やはりFTP接続できず。困ったねえ、シリアではサイト更新不可?メルマガのみ送信してくる。

 宿のオサマに下痢止めの旨をアラビア語で書いてもらったので、薬はスムーズに買えた。腹の調子が悪い時に限って、うまそうなモノが目につき、つい、コロッケみたいの(1個10sp)を買ってしまったり、オレンジジュース(スモール20sp)飲んだりしてしまう。しかし、便は依然液状。ハマムなんて当然無理。おまけに夜になって雨が降り出した。こいつは、明日も足止めかあ?シリアはヴィザ期限の15日ギリギリでスケジュールを組んでいるので、延長が必要かも。まあ、旅程的に余裕はありそうだけどね。買ってきたイチゴを夕食代わりに食べるが、実は感染源はこれの可能性もあるので、よく洗って。更にリンゴを大根卸しで擦って食べ、シリア製下痢止めを飲む。日記書いて、部屋では一番最後に床に就く。

本日の出費:博物館15sp リンゴ35sp イチゴ50sp コロッケ25sp ネット100+95sp コーヒー25sp カップ10sp 薬210sp 計565sp


 ・3月24日(日) アレッポ 4日目 ああ、何もかもままならず・・・

 夜中にまた便意で目が覚めた。だいぶ治まってはきているみたいだけど。同室の学生の一人は5時頃出ていったっけ。もう一人も9時頃には、いつまでも残ってんのオレだけ。そう、今日もまだ体調不完全なので、出発見送り。しかし明日には必ずってことで、フロントにハマ行きを買いに行くが、何やら明日ダマスカスで、パレスティナ人支援デモがある影響で、8時から2時までバスが動かないとか?選択肢としては、夜の6時の便のみってことになる。日がずれるのは別にいいが、これ以上アレッポにいてもやることがないので、早く離れたい。何か絶望的な気分になる。ただ、一応、バス亭言って聞いてみたが、何とも言ってなかったけども・・・

 昼までPCに向かっている。更新できないのにファイルを黙々と作るのは虚しいもんだ。朝、キーウイとリンゴを食べたが、久々にまともに昼食を取りに行く。一昨日行った店でショルバ+パンで25sp。ドミに別の日本人加わる。彼ともども、しばし寝ている。3時頃、町歩きでもするかと出る。あちこち歩くが、とりたてて面白いものがあるわけではない。それに何だかやたらに疲れる。水分不足なのか風邪なのか、少し歩いただけでくたびれる。チャイ飲んで少し休むが、バスがダメでも鉄道ならってことで、駅を目指して歩く。ハマではなくラタキア行きを考えつつある。地中海側なら温かいだろうし、魚も食べられるし、女性もきれいらしいし。しかし、鉄道は朝6時&7時発ってことで、やっぱパス。駅近くは、アレッポ屈指のお洒落エリアでネットカフェも多数。しかし、肝心のFDを忘れてきたのでしたぁ。ドッと疲れて宿へ。

 とりあえず、明日朝いち、バス停に行って確かめてみるよりないだろう。ラタキア行きの方に傾きつつある。そうなると、ヴィザ延長は必至だが。同室のベルギー人を訪ねて日本人女性来る。彼が不在だったが、何やら一人で喋って出て行く。腹は概ね治ってきたみたいだけど、夜は大事を取ってバナナだけにしておく。しかし無為な日々だね。まだ旅立って1週間しか経ってないってのにね。一応、明日すぐに出られるように荷物の準備はしておくとする。多分、バスはあると思うのだけど、もし本当になかったら・・・

本日の出費:昼食25sp チャイ10sp バナナ30sp カナダドライ15sp 計80sp
→ 海と魚と女性に期待 ラタキア へ 

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