東南アジア旅日記

 ・12月3日(日) 思芽 → 大理 最低最悪20時間のバス旅行
 昨晩の続き。揺れはあるし、隙間風は冷たいし、夜になっても、ほとんど眠れない。10時位に最初のトイレ休憩。何だか、タイヤの具合がおかしいらしく、みんなでバスを押させられたりもする。普通のバスならわかるが、わざわざ高めの金を払って“豪華”と謳うバスに乗ったのに、何でこんなことさせられんかなあ。バスの不調は、客の知った事ではないではないか。そもそも、タイやラオスの長距離バスというのも、走り出してから、必ずまず給油に立ち寄った。何で、出発前に入れておかんのかなあ?効率悪いだろうに。大体、整備というものをしとるんかいな?全く。再び、走り出して、しばらくすると、かなり山道に入ったらしく、カーブは多いわ、道は悪いは。この道の悪さは、あの、ラオス=中国国境越えの上を行くレベルで、体が宙に浮くことがしばしば。その度に、尻や腰を強か打つ。これはたまらんと、バッチイ毛布を下に引き、少しでも衝撃を和らげようとしたり、少しでも隙間風を浴びない位置にと、一人暗闇の中で悪戦苦闘しまくる。こんな調子で眠れるわきゃーない。

 朝7時頃。夜も明けたが、少しウトウトしてきたところで、また停車。トイレ休憩以外にも、やたら意味不明の停車があったので、またかと思ったら、客がゾロゾロと降りて行く。既に、前の停車地で、多くの客が降りていて、乗客は僕を含め6名位になっている。すると、どうやら、さっきから不調だったタイヤがついに限界に達したらしく、前に止まっているミニバスに乗り換えろということらしい。一体、何の為に余分な金を出して、豪華バスの切符を買ったのか。本当なら、余剰分返せという交渉を運転手とするべきだったのだが、眠いし、選択の余地も無さそうなので、大人しく乗りかえる。このバスがまた、怒涛荷物の詰まれた、典型的中国ノーマル・バス。ふざけてるよなあ。だから整備をちゃんとしてるのかっての。大体、あの運転手、最初やたらモタモタしていた挙句、悪路ですっ飛ばすからこんなことになったのではないか。言ってみれば人災じゃないか、全く。そもそも長距離を行くバスなら、もう少しぼろくないバスを用意しろっつーの。車体とかの問題じゃなくて、やることが間抜けなんだよ、エラソーにしやがって。バンコク以来の怒り心頭状態であります。

 ま、怒ってばかりいても仕方ないので、黙々とバスに揺られる。またかなりな山道に入って行き、小さな村に入る。すると、今でも席はほぼ埋まっているのに、待っている客をガンガン乗せる。まあ、確かにノーマルなバスなら、仕事する連中の足として機能するのはわかる。しかしだ、寝台料金を払ったのに、トラブルでこのバスに乗せられている客の身にもなってみろっての。とにかく、このバスの運転者は、お調子者というか、いちいち停まって、ガシガシ客を乗せる。もう限界だろという中でも更に乗せようとする。さすがにまわりの中国人も、“不車!不車!”と怒るが、運転手意に介さず、尚も客を乗せようとする。しかも、かなり高度のある山道で、未舗装の悪路。道は断崖絶壁で、勿論、ガードレールなんぞない。明らかに定員オーバーで乗っけていて、これでは、何か起こらない方がおかしい。もうほとんど狂気。こりゃもう腹を据えて、この状況を受け入れるしかない。笑いさえこみ上げてきた。通路いっぱいの荷物の上に客が乗り、僕のバッグは遥か下敷き。前には、ニワトリを抱えたオヤジまで乗っている。これ、本当に大理に着くのかね?ま、走り続けることが出来れば、いつかは着くだろう。ただ、もしもバスがひっくり返ったり、谷から落っこちたりしたら、あのお調子者の運転手、ボコボコにしてやるけどね。あっ、谷に落っこちたら生きてないか。

混み具合がわかるかどうか。前のオヤジはニワトリを抱えている

 さすがに限界ということで、客を乗せるのはやめ、多少は町みたいなとこにも入る。昼近くに休憩が入り、他の客はそこで昼食を取っていたようだが、僕は買ってきたバナナを少しずつ食べて我慢する。全ては、大便の時間を遅らせるため。舗装道路になって、大理まで何キロの表示が見えてきたのは、ようやく午後2時頃。出発から17時間経過。多少はウツラウツラも出来るようになる。座席も体も埃だらけ。靴もドロドロ。下敷きになったバッグは、踏まれたりのっかられたりで、目も当てられない汚さ。あの中国国境越えのバスでは、まだケラケラ笑っている余裕があったが、もうそんな気力も無い。居心地の悪さ、睡眠不足、空腹、便&尿意の我慢等々、これまでで最もしんどい状況だ。ただひたすら、一刻も早く大理に着いて、この状況から抜け出させてくれること祈るのみだ。

 大理というか下○(シェンクワーと読む)到着は3時半頃。大理は、一応、ショッピングセンターぽいものもあり、今までの中では一番都会か。バス停で、汚れまくったバッグを水ふきしようかと思うが、有料トイレは手洗いが無し。とりあえず、全く地理がわからないので、地図を買って、バス停近辺をウロウロしていると、またぞろ昆明行きバスの客引きが。“今着いたところだろうが、バカヤロー。てめえらアホか!”と、疲労も極に達し、客引きどもに八つ当たりし、日本語で喚きまくる。地図を見ると、どうやら大理の観光ポイントは、かなり郊外らしい。タクシーを拾いかけるが、50元などと言われやめる。地図を買ったところのお姉さんが、若干言葉が通じ、4番のバスで観光ポイント古城エリアに行けるという。ただし、30分の道のりだが。バスに乗ると、警察だか公安だかの制服の隣で、地図を見てここがどこどことか指示してくれる。日本人客も多いという宿を目指す。大理はパッカーが多いらしいので、中国に入ってなかなか出来なかった情報交換を少しはしたいため。

 しかし、その紅山茶賓館(カメリア・ホテル、または第二招待所)宿は、外見そこそこ立派なホテルだった。なんで、こんなとこが客引きするのかよくわからんが。ドミトリーもあるのだが、さすがに今日は風呂付きの部屋に泊まりたい。出来れば電話もだ。フツーのシングルは50元で、電話付きのスタンダートは220元。しかし、オフシーズンらしく120元でよいというので、1泊だけすることにする。120元というのは、勿論、中国での宿代最高記録で、この際、サービス関係は徹底的に使いたおしてやることにする。ところが電話をかけるにはデポジット100元がいり、更に、部屋の鍵をもらうにはデポジット200元がいるという。部屋に100元払って、そんな金が残るわけないだろう。今日は日曜で銀行も開いてないだろうし。電話はともかく鍵のデポジットは払わず、毎回、服務に鍵を開けてもらうことになる。

 部屋で、まずは汚れたバッグの掃除。ドロドロになった靴も。シャワーだが、ここの熱水もぬるい。かなり水に近く、ブルブル震えながら浴びる。100元以上の宿にしてこれなんだから、全く中国というところは。お茶を入れて、残りのパン、バナナを食べる。しかしバスを降りて以来、何だか寒い。部屋はエアコン無しだが、暖房が欲しい位。割と標高高めの位置なのだろうが、これでは先が思いやられる。荷物も整理し、ようやく歯も磨いて一段落。6時過ぎにやっと外出。このホテルの近辺は、小カオサンのような感じで、西欧人向けのレストランやネット・カフェが並んでいる。他ではともかく、中国でこの状況は、多少ホッとさせられる。映画館等や、宿替えの場合の場所等をチェック。すぐ近くに中国銀行があり、開いていたので1万円を両替する。モンラーよりもレートは悪い。ともあれ、デポジットを払って、鍵をもらえた。いざ夕食だが、この辺には、ぶっかけ飯屋や、おかず選び食堂が無くて、選択に迷う。結局、宿の前のチベタン・カフェというところに入るが、メニューがドル表示。コーヒー5ドルってことは、一体、何元になるの?モモとかがあるのかと思ったら無し。チベットらしい料理は何だと聞くと、ヤキ・チーズというシロモノ。それと、スープを頼んで13ドル。これでは恐ろしくて酒なんか頼めない。出てきたのは、まさにチーズだった。味がないので塩をかけて食べるが、素朴な味。スープの方はまずまずだが、20時間近くバスに揺られて100元の宿に泊まって、めしがこれかあ。チベット料理なるものを期待して入ったのに、申し訳程度だ。ここを「地球の歩き方」でオススメなんて書いていた奴は一体何なんだ。後で安食堂でそばでも食べることにして、とっととこんな店は出ることにする。意外や、このチーズとスープで、そこそこ腹は膨らむ。何のこたない、ドルってのは元のことで、13元だった。それでも高いけど。どうやら、この小カオサン近辺でメシは食わない方が無難らしい。

 白人&日本人もチラホラだが、あまり多くはいない。久々にまともなネット・カフェがあり、コーヒーを頼んでサーフィン。ホットメールには、韓国の女の子からの返事が来ていた。NFLの結果もじっくり見て、株価やニュースも。日本は、町がクリスマス一色状態らしい。この旅の最大の利点は、うざったいクリスマス&正月を過ごさなくていいことかも。数年振りに年賀状を一通も書かずに済みそうなのは、ハッキリ言って嬉しい。1時間程でカフェを出て、どこかで麺でもと思うが、半端でなく寒く息が白い。宿に戻って、湯の栓をひねるが、やっぱりぬるく、バスタブに浸かれる状態ではない。全く役立たずが。この有様では、ウインドブレーカーかセーターのようなものを買わないとどうしようもないかも知れない。何せ、最大の厚着である、長袖シャツ、スエットを着てもまだ寒いのだから。この寒さに、疲労に睡眠不足と、風邪がぶり返すお膳立ては、見事に揃ったなあ。ラオラオを飲んでせめてもの暖をとるが、通信はもう明日にした方がよさそうだ。ネットで見たら、次の目的地・昆明も最高気温10度などとなっている。ここは一年中、春のような気候なはずではなかったのか?寒さが大の苦手の僕にとって、これは悪夢ですよ、マジで。とんでもないとこに来てしまった感じ・・・

 ・12月4日(月) 大理2日目 市場でセーターを買う・・・
 9時頃起床。よく寝たみたい。今度こそ宿替え。荷を大体まとめた後、昨日、客引きが寄ってきたゲストハウスNo.4へ。なかなかユニークな作りのところ(左画像)で、案内された部屋は山小屋のようなところ。こういうのもいいかと、シングル30元に泊まることにするが、ここは寒いだろううなあ。それに、シャワーは別で、結構、離れている。これではいくらホット・シャワーでも辛かろうなあ。部屋は割と広いんだけど。ともあれ、近くの屋台で麺をすすって朝食。とりあえず、月曜のみ開かれるマーケットというのがあるそうなので、そこへ行ってみることにする。

 宿のフロントで行き方を聞くと、宿のすぐ手前のバス停からバスが出ていた。こういうところは、英語が通じるのがありがたい。もう一人日本人が乗車していた。その人もNo4に滞在していて、現在は7,8ヶ月の旅の途中で、かつて、2年半かけて日本一周したことがあるそうだ。色々な人がいるねえ。その人の話だと、カンボジアのプノンペン→シェムリアップ間の陸路も危険は無いそうだ。ただ、道はかなりの悪路ではあるらしい。僕らの前の席に病人ぽいおばあさんが座って、窓を開けるものだから、寒いのなんの。Tシャツを重ね着し、その上に長袖シャツを着て、スエットを着るという、僕の持ち衣装で最高の厚着をしているのだけど、それでも寒い。こりゃマーケットで、何か防寒具を買わなくては。実は、この大理は、標高2千近いところらしい。そんなとこにTシャツ、短パンでオッケーと思って来ていたのが、アホと言うかなんというか。昨日、ネットで昆明の天気予報を見たら、最高気温10度とかなってたしなあ。ここの先に、麗江(リージャン)というところがあって、そこもパッカーご用達のとこらしいが、これ以上寒いところには行きたくないなあ、やっぱり。

 1時間弱でサーピン市場に到着。普段はただの村なのだが、月曜だけ大々的な市場が開かれるという。熱気はあるが、ただの市場と言えば市場だ。とりあえず、昼飯を食べようということになり、屋台へ。2種類のおかずと、青菜のスープとご飯で2人で15元(左画像)。旅のベテランたちは、プロセスを楽しむということもあって、1元2元の差で、ぼられたぼられないに、すごくこだわる。ただ、乗り物や土産物はともかく、飯屋はぼると言ってもたかが知れていて、こういうとこで、1元2元をねぎる必要があるのかどうか?とまれ、後は自由行動ということでブラブラする。何やら、ゼリーと蜂蜜の入った飲み物を1元で買ってすする。とりあえず、防寒具と寝巻用の長ズボンが欲しい。両方の需要を満たす露天があり、安っぽいセーターが25元、ジャージのような長ズボンが10元とのことだが、ねぎって(こういうのは、ねぎるべきでしょ)、両方で25元にしてもらい購入。それを100元札出して買うんだから、向こうも日本人ってやつはって思ったんじゃないかな?ま、市場はこれくらいで充分だろうと、バスを拾って、元の古城エリアへ。しかし、途中、ここも観光エリアらしい瑚蝶泉というところが見えたので、そこで降ろしてもらう。

 公園内に蝶が群れる泉があるというが、入場料20元と聞いて、入るのはやめる。中国の観光地って、そこそこ金取る割にしょぼかったりするからね。再びバスに乗るが、しばらくすると、今度は、大理一番の見所と言われる三塔の前を通ったので、そこで再び下車。ここも入場料は20元。まあ9世紀に建てられた建造物なら、この位しょうがないでしょう。しばし、その三塔公園を散策。地震のせいで、塔は3つとも若干傾いている(左画像:三塔と池に写る三塔)。そこからは古城エリアは近いはずなので、バスに乗らず歩く。途中、市場を冷やかしたりした後、便意も催したので、宿へ。宿のトイレは、中国式でありました。比較的きれいな方ではあったけども。ついに、中国式便所で大をしてしまいました。流されずに残るから、自分の排出したものの形状がしっかり確認できます。そうこうするうち夕方になってきたので、近所の酒屋で大理ビールを買い、宿のテラスのようなところで飲みつ、明日の観光をどうするか思案。耳(ホントはさんずいがつきます)海という湖があり、そこのボート・ツアーというのに行ってみたい。宿も含めいくつかの代理店でツアーをやっているみたいだが、直、公園へ行ってみれば遊覧船みたいなのがあるかも知れない明日は、その耳海公園へ行くとしよう。

 6時を過ぎたら急激に寒くなってきたので、スエットの下にセーターを着こむ。これで上半身はオッケーだけど、手袋が欲しいなあ。でも、昨日ほどの寒さではなく、薄暗くなってきた町を散策。メインロードを端まで歩いてみる。小江戸・川越のような雰囲気の通りだが、何だかみんな扉が閉まっている。少し離れたところに、いくつか宿があって、こういうところなら、もう少し条件が良くて値段も安いのかも。端まで行って、再び戻る。おそらくVCDで中国映画をやっている映画館?等を見つける。3元だというので、そこで何か見ようかなと思ったところで、また便意。有料の中国式便所でまたしても用を足す。そこもまあきれいな方だった。本格的ピーピーではないので、昼飯時のトウガラシ多量摂取による一時的なものだとは思うのだけど。とりあえず、夕飯なのだが、缶ビールを1本飲んで、道端で小ロンポーを買って食べたら、結構腹が膨らんでしまったので、軽く麺でも食べてすまそうと、朝行った屋台の並ぶところへ。ワンタンを頼んだら、スープではなく、タレにつけて食べるものだった。そこで、中国語を話す白人と一緒になる。僕にも中国語で話しかけてきたので、俺は日本人だというと、彼はシカゴ生まれのアメリカ人。何やら、仕事で山の上に住んでいるらしい。今はちょっと休憩で降りてきているとか。東京にも一度行ったことがあるそうで、物価の高さにたまげたという。そんな調子でしばし談笑。辛いタレにつけて食べるので、ビールも1本頼んで、晩酌状態。アメリカ人と別れた後、残ったビールを宿に持ち帰る。

 その屋台の近くに、どうも昨日から気になっていたところがある。何やら浴場と書いてあって、どうもサウナではないかと睨んだら、案の定だった。20元とちと高いが、宿の離れのシャワーを浴びる気がしないので、暖を取るにはちょうどよしと入る。マッサージをしないと30元だそうだ。30元払うなら、タップリ元は取らねば。しかし、客が全然いなくて、ほとんど僕だけのために、サウナを開けたような感じ。どっかでホテルと繋がってはいるらしいが。シャワーを浴びた後、サウナに入るが、石を暖める機械があり、それに水をバシャバシャひっかけて蒸気を出すらしい。なるほど、それをやるとようやく温まってきた。マッサージ師もサウナのおっさんも暇そうにしているので、あまりゆっくり休めない。それでも、しっかり4回程入って暖まる。

 ホカホカした体で宿へ戻るが、またしても便意。ヤレヤレ。ちと遅い時間だが洗濯をしようとすると、洗濯機が全部壊れているという。洗濯が出来るからと、この宿を選んだようなものなのに。5元で洗うというが、明日の夜になるという。唯一のジーンズを洗ってしまって、明日までに乾かなかったら履くものがないだろうが。他をあたれみたいなことを言われたが、こんな時間に開いている洗濯屋があるものか。ちと気分を悪くし、また明日、宿を替えようかとも考える。しかし、明日は早めに出て観光したいしなあ。更に、宿を替えたくなった原因に、この部屋は電気が来ていない。勿論、電球はつくのだが、ぶら下がっているコンセントに電気が来てないのだ。今まで、どんな安宿でも電気の来ていないところはなかった。ますます、どうしたものか。最初の晩に泊まったホテルのドミトリーにでも行こうか。バス乗り場にはちと遠くなるけど。ビールの残りをを飲みつつ日記。今日は遅いので、ネット・カフェには寄らず。小カオサンのようなエリアにも、あまり人は多くない。あんな離れたトイレに、この寒い中行くなら、いよいよ空きペットボトルの出番か。ウヒヒ・・・ 大理の続き

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