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露・土・印 旅日記

・8月13日(月) イルクーツク 1日目 ここは警官無法地帯!
昨日の続き。宿へは着いたが、呼び鈴を押せども押せども扉は開かない。寒いので一刻も早く寝たいというのに。待つこと早30分近く。頭に来て、死ぬ程鳴らしまくったら、ようやく家主らしきおば様が出てきた。アメリカン・ハウス、通称アメリカンスキー・ドムの女主人リダ・スコロチーニさんである。アメリカ人と結婚し、米露交流に一役買った有名人らしい。大きな民家の2階のダブル・ルームへ。1泊20ドル朝食つき。朝食は8時半とのことで、ともかくも寝るかと思うが、車中取り出すことのなかったPCに書きたいことがたまってるので、日記を書く。朝食時、意外にも客は僕とアメリカ人の二人だけ。彼は学生で生態系の研究でロシアに2ヶ月余滞在していると言う。彼曰く、外国人登録は到着3日以内に、自分でオビールに赴いた方がいいという。宿ではやってくれんのかあ、やっぱ。
で、同じ事を宿のリダさんに尋ねると、オビールへ赴くのは不要という。曰く、“旅行者が警察に尋問されるなんてのは噂に過ぎない。役所は何のかんの言って旅行者から金を取りたがるが、登録なんてのは彼らは必要でもあんた方には必要がない。大体、ロシアに来て、一度でもホテルの滞在登録があれば、後はいちいち登録することは不要なのよ!”。これは新説だ。各都市で登録ではなく、一度でも登録があれば、それで済みということ。これは、後に登場するイングランド人のスティーヴも同意見だった。しかし、僕は、ハバロで、ホテルがまだ未登録のうちにパスポートを持ち出す必要があったし、後はウラジオのヒュンデホテルでイレギュラーにもらった別紙があるのみだ。もしもの際、不安ではある。しかし、リダさんは多くのツーリストを相手にしてるのだろうし、あくまで旅行者の立場からの意見を言っているので、これに従い、僕は敢えて登録には行かないことにする。だが、登録の要不要はともかくとして、リダさんの主張は、やはりあくまでもロシア人の立場からのもので、旅行者、特に日本人のような非白人の立場に立ったものではないことが、後にわかる。それもサイアクな形で。
朝食後一眠りして、昼に起きて3日ぶりのシャワーを浴び、膝等の傷の手当て。膿が出つつあるので回復基調ということか。ちと複雑な駅への道のりをリダさんに聞いて、外出。徒歩20分位で駅へ。途中、市電が通っていて、これがメインの通りであるカルラ・マルクサ通りへと向って走っている。とりあえず行きは歩きで、駅近くのアンガラ川にかかる長い橋を渡る。「歩き方」の投稿で、深夜に橋で追剥に遭ったって橋はこれのことだろう。まずは川沿いのインツーリストへ。しかしツアー等の案内所らしいとこは、(見た目が)無愛想なとこで、値段も高いのだろうから、ここで申し込むのはやめておく。イルクーツクはとにかく、バイカル湖。宿でも頼んでいるが、同行者がいないと高くつきそうなので。両替所はチェック不可。ビジネスセンターでヴィザのコピーを取ったのみ。カルラ・マルクサ通りに着いて、映画館等をチェックしつつブラブラ歩く。やはりチェックをキャッシュ化しないとまずいので、銀行をいくつかあたるが3件位ダメ。いけそうだったところもあったが、チェックのサインが英語だったのが原因でバツ。パスポートに沿って日本語にすべきだった。アジア旅行の際の失敗を生かしてない大ボケの一つだ。で、問題はその後、時は午後4時頃。場所はカルラ・マルクサ通りの木陰で、交通量は少なめだった。
警官の3人乗ったパトカーが手前で停まった。まさか自分のとこに来るんじゃないだろうなと思ってたら、やって来るではないか。名前忘れたが、「ハイランダー」という映画で敵役だった役者に似てる。パスポートを見せろという。出そうとすると、パトカーに連れていく。“やばい”と思って躊躇すると、中でチェックするんだみたいなことを言われ、無理やり連れていかれる。“日本領事館へ”みたいなことを言いかけるが、考えてみれば、ここに領事館は無いのだった(それが警官たちのなすがままにさせている一因でもあるだろう)。車内でパスポートや財布をチェックされ、なぜか腕に注射の跡がないかみたいのをもっともらしく見る。あるわきゃねえだろ、BCGだけだよ。荷物も逐一チェック、財布の内ポケット等も隈なく。この時の所持金はルーブルが5000位、ドルキャッシュが25位、そして両替しようと持っていた200ドル分のTCだ。いつもの腹巻は宿に置いてきた。車が走り出したので、“おいおい”とさすがにビビルと、件の少し英語のわかるハイランダーが、“パスポート・イズ・グッド、ノー・プロブレム”。他の二人は、もっと拘束したそうな様子で、特に一人はオビールの事にも触れていたようだったが、どうにか解放された。“スパシーバ”なんて言ってしまうのだから、バカだね我ばがら。ドルキャッシュをいっぱい持ってなかったのが幸いしたかなと胸を撫で下ろしつ歩いていると、銀行が。よし今度こそチェックをと思いきや、無い!!200ドルのチェックがなくなってるではないか!車内でゴチャゴチャいじられたドサクサでぬかれたか残ってしまったか。よくわからないが、僕は警官に盗まれたと思ってる。ただ、他人のチェックって換金できるわけ?大体、パスポートもないし、英語とは言え日本人名だし。警官の裏の手口で何とかなるのかね?いずれにせよ、グジェ〜としかいいようがない。
警官云々って話はよく聞くけど、運悪くたまたま当たる程度かと思っていた。まさか自分が遭遇するとは夢にも思わなかった。この件で、一気に観光する気は失せた。重い足取りで通りを歩くうち、TCなら返ってくる可能性があるので、とりいそぎ宿に帰ったら、オフィスに連絡を取らねばとは思い当たった。しかし、戻ってくるとしてもだいぶ先の事。宿に帰って金を数えなおしてみて考えないと。下手すると、宿代が払えないやも。TCってのは安全がウリだけど、ホント、両替には苦労させられる。ロシアに限らずね。さて、あんな事があって、この町をトットと去りたくなってきた。で、モスクワ行き列車の切符を買いに行く。ハバロで味をしめたインツーリストへ。ところが、窓口へ行くと、駅で買えと言われる。旅でわからないことってのが、たまにあるけど、これもその一つ。何でハバロのインツリでは買えて、ここではダメなわけ?楽しようとするんじゃねえって?じゃあ、行って買ってやろうじゃねえか、駅で。
ウラジオ等では既に無い外国人専用窓口が、ここでは健在だった。それを見つけるのに30分位。そして切符を買う列とも何ともよくわからんものに並ぶこと1時間半。もう少しというところで、中国人はお得意の割込みをかけてくる。頭に来たから書くけど、彼らのどこでも繁殖するしぶとさってゴキブリ並だよ。まわりは外国人のはずなのに、皆ロシア語を話す。結構、緊張しながら自分の番を向えるが、窓口嬢は英語を話せた!午後いちの列車を指定すると、それは一番高いとか指摘してくれ、次の安い列車を。出発時刻の当地時間の確認もしてくれた。スパシーバ!考えてみれば、窓口で自分で買ったのは、ロシアに来て初めてだ。多少の達成感あり、久々にまともな食事をせんとする。そこそこきれいな駅のレストランにて。バルチカ・ビールの3番を頼むと、ウエイトレス嬢なぜかニタニタ笑う。ガキに見られたか?安めのサラダとキエフ風ならぬイルクーツク風カツレツを注文。サラダは少量でちょうどよし。カツレツは・・メンチだった(笑)。ややしょぼかったけど、ビールも併せ100R以内ってのはリーズナブルだったのでは。
帰路は少し市電に乗るが、距離が短く車掌が来る前に降りたので結果的に無賃乗車。宿に戻ると、愛想のいいイングランド人が同室に。彼の挨拶を聞く間もなく、家の電話を貸してもらうべくリダさんにお願いする。しかし、日本のTCのオフィスの番号はコレクトコールやらフリーダイヤルやらでかけられず。国際電話でロンドンやらあちこち試すも、かからなかったり通じなかったりで、埒があかない。明日、ホテルででもかけることにして部屋へ行くと、こちらとは対照的に、イングランド人スティーヴはゴキゲンだ。モスクワからここへ来て3日目、宿が高いので今日ここへ来たそう。この後は、モンゴル、北京から、東南アジア意を目指して半年旅する予定とか。日中、ロシア女性のナンパ?に成功して楽しく過ごした体験を、ロンドン訛りで語る。あの訛りはよく聞き取れないのだが、心ここにあらずのこちらは、日記を書きつつ、アハ、アハとテキトーに返事をしておいた。後で、“君の英語は全く問題ないよ”なんて言われたのが皮肉。いいよな白人は。世の中うまいことやる奴とそうでない奴の違いって明白にあるわな。勿論、自分は外国でに限らず後者だろうね。とまれ、唯一の朗報はスティーヴがバイカル湖行きにのってくれたので、めでたく明後日、湖へ行けることになったこと。バイカル湖さえ見たら早いとこ去りたいよ、こんなとこ。これからロシアを旅する日本の皆様へ、イルクーツクは要注意都市っす!
本日の出費:タクシー代100R 市電4R バンソコ・ガーゼ50R? アイス5R スプライト15R
モスクワ行き切符代1708.4R 夕食100R ビール25R 盗難?TC200ドル 計2007.4R+200ドルTC!

・8月14日(火) イルクーツク 2日目 紛失ショック冷めやらず
宿で有り金を数えてみると、どうにかここでの宿代やツアー代はまかなえそうだ。ただ、モスクワに着いて、すぐさまチェックをキャッシュにしないと、モスクワでの旅費はほとんどない。でも、昨日に懲りて、今日は最小限の金しか持たないことにする。そう、めげずに外出する。と言っても、今日は白人であるスティーヴという強い味方がいる。彼が市場に行くというので同行することにしたのだ。後で振りかえれば、これは正解だった。なぜならば・・・
まずは朝から国際電話攻勢だが、またうまくいかず。ではまずインツーリストに行ってかけてみることにする。しかし、こちらでもコレクトコールはダメだしネットも繋がらない。どうにか料金は払わずに済んだが。で、市場へ。洋服類を売っている一角があり、スティーヴは割とモノのいいコンパチ・パンツを見つけ、しっかり値切って300Rで購入。僕もあーゆーの欲しいんだよね。何かうまいことやるよなあ、ちとシャク。彼はサンダルだの時計だの色々買いたいものがあり、市場とその側のデパートも含めあちこち回る。しかし、ここは警官いる、いる、いるくーつくって、つまらんこと言ってる場合ではない。パトカー見かけるとすかさずスティーヴの陰に隠れるが、遭遇したくないという気持の一方、昨日の連中を見かけたら、車のナンバーとかをチェックしてもみたい。宿のリダさんは、“ナンバーとかがわかれば警察署のエライさんに話せたのに”と言っていたから。そう、尋問とか遭ったら、必ず、パトカーのナンバー、警官の名前等を聞くべき。哀れな日本人観光客に出来ることはそれ位だろう。
昼食は近くの軽食堂で。安いなりにしょぼかった。スティーヴに付き合い、モンゴル領事館へ。無事ヴィザは取れたそうだ。因みに、イギリス人は、日本人の如きバウチャーなるものはなくても、自由にロシアを旅できるそうだ。アメリカ人も然り。さて、その近くの郷土自然博物館というのに寄ってみる。訪ロ以来初の博物館だが、小さくてせこかった。20R也。恐怖のカルラ・マルクサ“ナイトメア”通りを脱出すべく足を速める。ここは車の往来が少なめで、パトカーが停車できてしまうのがミソ。往来の多い通りでは、日本人を見てもいちいち停まらないだろう。川沿いの散歩道へ行くが、そこにも警官が。目が合うがそれでも咎められなかったのは、やはり白人パワー?悔しいけど、この町の繁華街は一人では歩かない方が無難。白人と一緒ってのがいい、ホント、シャクだけど。
川沿いでビールを一杯。これはハバロもそうだったけど、散歩するには、ここ、ホントいいとこ。昼日中から、ビール飲んで休んでるロシア人がいっぱい。ロシア人がこんなにビール好きとは驚きだ。意外とヴォトカ飲み泥酔野郎には遭遇しない。悪いとこじゃないんだよね、警官さえ避けられれば。少し気分も上向きつつあった時、またしてもブルーにさせられる事が。警官チェックの後もあったはずの、財布の内ポケットの20ドル位のキャッシュが何時の間にか無い!宿に帰ってからとすると、まさかスティーヴが?ウ〜ン何だかもうよくわからん。とにかく、いるだけで勝手に金が減って行くこんな町はトットと去るのみだ。
また観光気分喪失。まだ5時だが宿へ戻ることに。帰りがてら、ちと良さそうに見えた屋外の露店でビール一杯。イギリスのバス風のエール・タイプの生。ビールはいいのだけど、雰囲気は実はあまりよくなかった。酔っ払い風のおっさんが拙い英語で話しかけてきて、主にスティーヴに寄ってくる。同じ白人とはいえ、やはり違いはあるんだねえ。彼は彼なりに、ロシアで差別的待遇を受けたことがあるそうな。酔っ払いオヤジをかわして宿へ。コンビニみたいな店がいくつかあって便利。僕の今宵のディナーは駅前で買ったピロシキ。スティーヴもコンビニで買ったパンやチーズで済ますみたい。帰ってまた国際電話だが、ついにかかったと思ったら切れた。もう諦めて、日本でかけてもらうよう親宛にメールを書く。親はそれみたことかっぽく思うだろうが、この際、恥は忍ぶよりない。モスクワのホテルの代理店の日本の会社へも。ホテルへの市外通話もなぜか通じないのだ。ファクスは送れたのだけど。肝心なメールだけでもと、リダさんちの電話でネット接続を試みると成功!ロシアの数少ない取り柄は市内電話が無料なことだね。ネット接続が出来たのは、唯一の光明。久々にメールも読めたので、張りきって日記書きに没頭する。ウラジオで一緒だったダイカイくんからのメール、彼もここで警官には悩まされたそうだ。金は無事ながらも署に連行されて尋問されて辛い思いをしたらしい。一体、どの位の日本人旅行者がこんな目に遭わされているのだろうか?何か改善の糸口はないのか?これは、一種の国際問題として、日本政府が取り組むべき問題だとマジに思うぞ。事によるとレイプされてる日本人女性だっているやも知れない。とまれ、明日はさあ行くぜバイカル湖。
本日の出費:トイレットペーパーx2 8R 紅茶15R 市電4R 昼食80R トイレ4R 博物館20R
ビール15R+11R ピロシキ30R 紛失?25ドル? 計187R+???
→ 引き続き警官地獄 イルクーツク
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