露・土・印 旅日記
・12月31日(月) ジャイプル 2日目 ちょー虚ひー年越し
目覚ましがないと、かえって早めに目が覚めたりするもの。でも、宿は静かだった。如何せん寒いけど。大晦日ってことで、インド人に“猿”と評された長い顎鬚を刈り、切り残っていた方の手の爪も切る。そして、徐に、靴、ジーンズ、帽子といった大物の洗濯。昨年、初めて海外で年末年始を過ごし、そのあまりの何もなさがかえって心地よかった。日本では、年の終わりと始まりをもって区切るという考え方が、とても強いのだけど、そも、年の終わりったって、その日をもって何かが全て変わるわけではなく、時の流れは連続している。だから、日本式の大晦日、お正月みたいなのが、この数年、少々うざったく感じられていたのだった。でも、そこはやはり日本人。大晦日というと、どうしても大掃除をしたり、1年の汚れを落としたり、みたいなことを考えてしまうのだ。とまれ、本来は新年を祝うという習慣のないらしいインドは、今日も銀行や交通機関も平常通りのようであります。
朝食は、また下の食堂から運んでもらう。目玉焼きにトーストにチャイ。昨晩やり残した日記を少し書いて、11時過ぎにやっと外出。ジャイプルにおいての最大の期待といえば、宮殿や城を見物することではなく、またぞろ映画を観ることである。市内にはラジ・マンディールというアジア最大の映画館(左画像)があり、そこで今度こそ「カビ・クシ・カビ・ガム」を観たい。当然ながら真っ先に目指すは、その映画館である。案の定、上映作品は「K3G」であった。1200超の客席と豪華な内装を誇るという。バルコニー席は、ダイアモンド、エメラルドなぞと名づけられている。しかし、さすがに長い列が。とりあえずヒマっちゃヒマなので、列に並んでみる。しかし、インド人はすぐに割りこんでくるし、やたらに前につめてくる。男同士でお手てつないで歩いたりしている人達だから、人と触れ合うことに抵抗がないようで、やたらくっついてくるのでウザッタイ。そんな状態で30分とか並ぶのは苦痛。しかも、少し列が窓口に近づいてきたと思ったら、突如、列は崩壊。売りきれなのか何なのか?特に祝日というわけではないものの、やはり今日の上映は既に満席状態らしい。ヤレヤレ。
後で再チャレンジすることにして、昼食。ビルヤニの店へ入るが今イチ。ネットカフェへ行くが、フロッピーを忘れて出直し。移動に備えて、バス停への一番近い道を探る。やはり宿から歩けない距離ではない。とにかく、どうしても使わざるを得なさそうなヴァラナシを除き、リクシャというものは一切使わないつもりなのだ。アーグラー行きバスは頻発で問題なさそう。チェックを済ませたところで、他にも映画館はないかと鉄道駅方面へ。ポルノっぽいのが1館あった位で他は見つからない。駅近くまで来ると、ピンクの城壁にでくわす。ここの旧市街は皆ピンクの建物で、ピンク・シティと呼ばれてる。でも、道がばばっちくて小便臭いのは、やっぱりインドだ。
懲りずに再びラジ・マンディルへ。しかし、またしても30分位並んだところで列が崩壊。並んでいれば、いつか買えるってわけじゃないのが歯がゆい。どうすりゃいいのかね?仕方なく再び西方面からピンク・シティへ入る。露店で目覚まし時計を40Rsで買う。しかし、コンパスはまず手に入らなさそうだなあ。目的を果たせぬ虚しさに疲れを覚えて、一旦宿へ。併設の観光局で、明日の半日市内ツアーを申し込む。フロッピーを持ってネットカフェへ。ラージャスタン州はどこも通信速度は良好。画像ファイルも瞬く間に転送。ちと早いけど年賀メールも送信。紅白歌合戦の出場歌手をチェックしてみたり(苦笑)。モー娘。んとこだけでも誰かに録画頼めばよかったなあ。日本の景気はますます悪化してるようだ。それでもなぜか小泉政権は人気を保っているけど。今日本に帰っても状況は何も変わってなさそうだわなあ。
で、3たび懲りずに(苦笑)ラジ・マンディルへ。何せ、ジャイプルはこれなのだ。しかし列の途中で、明日のチケットは全て売りきれたとか。今日の最終回はまだ買えるとのことだったが、6時半にいきなり窓口が閉まる(泣)。反対側の窓口が7時に開くらしいけど、いい加減もーイヤ。「K3G」はウダイプルやジョードプルでも上映していたのだけど、敢えてここの映画館で観ようと思って観ないでいたのに。せめて豪華な映画館の館内だけでも見てみたかったが、来た時期が悪かった。ここで「K3G」を観るのは断念せざるを得ないだろう。アーグラーやヴァラナシでもやってるかも。でも、やはり観るなら都会の大劇場、カルカッタかなあ。これで2001年の大晦日の夜は虚し〜く過ごすことがほぼ決定。
宿へ帰る途中の道でチキンを焼いてるのがうまそうな店あり。そこでちょいと奮発してタンドリ・チキンにベジ・プラオ。チキンがうまかったのが、せめてもの救いか。宿に帰ってまだ8時前。湯を浴びて、長袖ものを洗濯。同じ階のどっかでパーチーをやってるらしく、インド人だから音楽が大音量で流れてる。でも、今日ばかりはこれもいいか。日本時間は3時間半進んでるから、既に紅白もそろそろ終わりって頃だ。去年の大晦日は、ミャンマーのバガンの宿で珍妙なニューイヤー・パーティがあり、仲間もいて、それなりに愉快に過ごした。しかし、今年は何て寂しく虚しいことか。新年、大晦日が特別な日であるのがウザッタイはずだったのが、その日を一人で何事も無く過ごすとなると、やっぱり悲しいもんだ。まあいつも通りに働いているインド人たちのように、いつもと変わらぬありきたりの1日と思って何気に過ごすとするか。まだ残っていた、ゴアで買った椰子酒を飲みつ、一人年末を迎える。日本は今頃、
除夜の鐘っすか・・・
本日の出費:朝食27Rs 水10Rs 昼食52Rs ツアー代90Rs 新聞x2 6Rs
目覚まし時計40Rs ペプシ17Rs 夕食90Rs ネット42Rs 計374Rs

・2002年1月1日(火) ジャイプル 3日目 “モノを乞う人”たち
インドでも欧米化されている都会においては、新年をそれなりに祝うようだ。昨晩は宿でニューイヤー・パーチーがあったようで、騒ぎの大好きなインディアンズは大騒ぎ。でもこちらは、新年の到来を確認して1時には寝たけど。明けて2002年。今日は市内ツアーに参加する。9時ちょいに起きて、唯一洗い残していたスエットを洗濯。乾くかね?出発時間まで時間があるので、バス停まで行く。屋台のオヤジに“ハロー・ミスター・ラディン”なぞと言われ、新年早々むかつく。ラディンはアメリカでなくインドをこそ襲えばよかったのに。インドはたかだか千人位死んだって、いちいち追悼集会なぞやらんだろうし(また不穏当発言、失礼)。新聞買って近くで朝食。南インド系の店でマサラ・ドーサ、食いでありすぎ。昼抜きでも持つな、こりゃ。
宿の敷地内のRTDCよりバスが出発。参加者はインド人ばかり9人。こういうのに参加するインド人というのは、当然裕福な人たちだから、奥方様は救い様も無く太っている。お金持ちのインド人主婦は、家事は低カーストのものにさせるようで、何もやらなくていいらしい。だから階段の上り下りにも難渋する位ブクブクに太ってしまうのだそうだ。ホント、インドってのは極端な国だね。どうして、コレとアレが共存し得るのかが俄かには理解し難いような国なのだ。
さて、半日市内ツアー、例によってジェントルな英語ガイドさんがついて、主な見所を回る。リクシャにも乗らずに済むし、集団行動なら変な輩も声をかけてこない。多少金はかかるかも知れないが、お手軽。さして思い入れのない観光地に関しては、これで充分だと思う。まずは旧市街の風の宮殿へ行くが、横を通り過ぎただけ。最初に停車したのは、天文台ジャンタル・マンタル。ここはユニーク。何とも素朴な日時計等による天文台。子供の学習用見物にピッタリという感じ。カメラ・フィーが高いので写真は撮れなかったが、一見の価値あり。そこから徒歩で宮殿へ。
ラージャスタンにはあちこちに残る、マハーラージャの宮殿。しかし、このマハーラージャってのがクセモノだ。今、我々旅行者をびびらせているカシュミール紛争も基を辿れば、このマハーラージャという旧時代の貴族様が原因。カシュミールはムスリムが80%を占める地だったのに、地方を司るラジ・マハルがヒンドゥ教徒だったため、戦後はインドに帰属。ここからヒンドゥとムスリムの戦いが始まって現在に至っているとか。ひとえにマハーラージャとかがいなければ戦いも起こらなかったわけだ。そいつのお陰で核戦争なんて始まったひにゃシャレにならん。インドは、こういうよくわからん矛盾を昔から現在に至るまで受け継いでしまっている国。国民たちは某かの批判精神ってものを持ち合わせているのだろうか?例によって豪華さがウリの宮殿にも、未だにマハーラージャちゃんが住んでいらっしゃるらしい。家財売っぱらって、全部物乞いたちに寄付しろよってーの。
バスは郊外のアンベール城へ。バスを降りてジープで丘を登る。アンベール城の横は、もうひとつの見所ジャイガール要塞なのだけど、なぜかこのツアー、要塞の方には寄らず、城から要塞を眺めるのみ。変なの。アンベール城、イスラムとヒンドゥの装飾が共存する美しい建物。眺めも見事で結構な見物。このツアーは、相当に端折っているけど、ジャイプルってとこは結構見所の多いとこだ。僕は、残る大物(アーグラー、カジュラーホー、ヴァラナシ)を除いて、最早インドを観光する気が失せているから、これで構わないけど、キッチリ観光したい人は、ジャイプルは数日滞在して自分の足でキッチリ回るべきだと思う。
アンベール城もカメラ・フィーありだったが、そも、カメラをバスの中に忘れてきてしまったようだ。カメラが心配で気が気ではない。この上デジカメなくしたら、もうこの旅はフィニッシュってとこだ。幸いあったけど。カメラが気になって、一足先にバスに戻り待っている。お陰で、土産物屋に連れて行かれずに済んだ。政府系主催のツアーにさえ土産物屋まわりがあるんだからね。
どうやらこれでほぼ終わりらしい。湖に浮かぶ城を写真だけ撮りに寄り、市内へ戻る。最後はヒンドゥの寺院だが、靴を預けるのがウザッタイので、また中には入らず。また他の参加者より早くバスに戻り、ガイドさんと話す。キッチリした感じの人なのだけど、この人さえ、“日本のコインがあったらくれないか?”なぞと言う。誠にもって、インド人というのは「愛を乞う人」ならぬ「モノを乞う人」たちである。夕方5時に宿に戻る。
暖かいうちに湯を浴び、昨日のネットカフェへ行く。昼抜きで腹が減ったので、途中、ついつい屋台の訳わからんものを食ってしまう。腹大丈夫かね?すぐ下る方が無難で、潜在期間があったりすると、いつぞやの細菌性下痢みたいなことになるから怖い。で、ネット。大詰めのNFL第16週は強豪が敗れる大波乱続出。時間をチェックしながら少々長めに90分程やったが、店は2時間いたとかヌカしもめる。速度もよかったとこだけに残念。ボロうとしてるわけではなさそうだったけど。
宿に戻ってバーでストロング・ビヤル、その名もゴッドファーザーを飲む。いい気分になったとこで夕飯。昨日チキンがうまかった店でチキン・カリー。これまた辛くてうまい。調子に乗って生タマネギも全部食べてしまった。これで腹壊さなければ、もう免疫が出来てるってことかな。気分がいいので、久々に物乞いガキにバクシーシ。50パイサだけどね。一人やると、他のがくれと追っかけてくるので走って逃げる。野良犬に小便かけてやろうと思ったら、気配を察して逃げるので、側にいたバカ牛にかけてやる。殺菌消毒のため、久々に日本茶を入れて飲む。我が2002年の元旦はかくの如し。明日はアーグラーに向けて移動だ。

カメラ・フィーを取るとこが多くてロクに写真を撮れなかったツアー。
本日唯一の画像は、宮殿にいた蛇使いのおっさん。
しっかり横目で人を見ていて、この後バクシーシを要求された。払わなかったけど。
本日の出費:朝食21Rs 水10Rs 天文台10Rs 宮殿150Rs アンベール城50Rs ジープ代20Rs サムズアップ15Rs
屋台の食い物10Rs ネット67Rs 新聞x2 4.5Rs バクシーシ0.5Rs ビール60Rs 夕食78Rs 計499.5Rs
→ 一番悪いインド? アーグラー へ
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