露・土・印 旅日記
・8月20日(月) モスクワ 1日目 パッカー修行が足らん私?
列車の中でさんざ寝てたせいか、7時ちょいにスッキリ目が覚める。窓の外は競馬場で、朝から馬がパカランパカラン走っている。なかなか気持いい眺め。とりあえず、木曜以来のシャワーを浴び、髭を剃る。湯をわかしてお茶を入れ、残ったパンで朝食。テレビのCNNでは、モスクワ市内の新体制10周年記念?の式典の模様の他、富士通の大リストラのニュースなんかを伝えている。それにしても日本の株価、ますますさがっていて困ったもの。パスポートに判が押されるまで外出するつもりはなく、午前中はたまった日記の執筆に勤しむ。やたらいい天気で暑い。ネット接続を試みるもダメ。何でかな?
1時近くなり、さすがに腹が減って部屋の外へ。どうやらここの唯一の日本人スタッフらしい、オカダさんは8Fのレストランにいると言うので訪ねる。出国に際して滞在登録が無いのは引っかかる可能性ありとのこと。ひたすら笑顔でわからんフリをするのが得策という。ク〜ッ。高いホテル(1泊70ドル)だから、なるべく使い倒そうと、飛行機のチケットの手配なぞも打診してみる。コレクトコールはやっぱり無理そう。やっぱり思っていたよりは、至れり尽せりとはいかんようだ。一頻り聞いた後、付属のレストラン東京で昼食。どうせカード払いだからと、高い(8ドル)けどトンカツの定食を頼む。ロシアくんだりでこういうものを食べることになるとは思わなかったが。食堂をしきっているヨシムラさんという若い人が、色々話を聞いてくれる。やはり、バウチャー旅だろうがそうであるまいが関係無く、警官がたかりにやってくるという。治安面の話も色々伺う。2時半に外出されるというので、同行させてもらうことにする。
「歩き方」ロシア篇を借りシティバンクのありかも聞いて、いざモスクワの町へ出発。地下鉄はカード式。1,2,5回乗りのいずれかを告げて買う。ホテル最寄のベゴバヤ駅からマヤコフスカヤ駅へ。ちと迷うもシティバンクを発見。しかし、何か変な作りのとこで、おまけにTCやらATMも2時半で終了と言う。何じゃそりゃ。両替は明日にして、大通りのトベルスカヤ通りを進み、赤の広場を目指す。途中、シティコープのTC・OKの表示のある銀行が。喜び勇んで40ドル程両替。時間はかかったが、ルーブルを入手。ここはドル・キャッシュ化も可。実はOKのとこは、その後もいくつか見つけた。やっぱモスクワは別格です。便利なる大都会、ああよかった、これで生きていける。銀行の側にはファストフードのルースコエ・ビストロとマックも。途中にはまともなCD屋や本屋もあり、この通りを覚えておけば、とりあえず便利そう。
赤の広場に到着。ウ〜ン、来ましたねえモスクワ。カメラにCFを入れ忘れてきて写真は撮れず。オリンピックに備えて改装中のところ多し。その後、グム(百貨店)へ。ブランドもんの店やらピザ屋やらネット・カフェやら色々。こーゆーとこに来てみると、今まで訪れた地は何だったのかとさえ思える。もうここは、他の都市とは全く別の国って感じ。本屋では、ちゃんと本が手にとって見れるのだ。CD屋も然り。ロシアの地方格差は中国以上なのでは?ルースカヤのファッションも
フツー。つまり、ウラジオあたりで見られたスケスケ・イケイケは影をひそめる。ま、個人的には露出度高い田舎ファッションの方がいいのだけど(笑)。やっぱ都会は楽しい。昨日までの消沈した気分はどこへやら。何かモスクワ、もうちっと滞在してもいいかなあなんて思えてきた。これで、警官にさえ出くわさなければハッピーなんだけど。ただし、地下鉄も含め治安はやはりよくないとのこと。8時を過ぎたら地下鉄には乗らず、車を拾うべき(手を挙げているとテキトーな車が停まる。要はヒッチハイクなのだ!)。ヨシムラさんとお茶しようかとするが、時間がなくなり別れる。ヨシムラさんは食堂の夜の準備があるのだ。朝は6時起きで朝食の準備もあるし、土日も無しのハードださだとか。ロシアのアートに憧れて、大学卒業後ロシアへ来たそうな。まだ2ヶ月で、あまりロシア語は得意ではないそう。それにしても、色々なところに色々な日本人がいるもんだ。考えてみれば、これだけ日本語で話したのは、ウラジオ以来かも。
一人になって、多少ビクビクしつつも、イルクーツクのスティーヴンに教わったアイリッシュ・パブ、ロージー・オグレイディズを目指す。6時頃どうにか発見しキルケニーにありつく。しかし、お値段は日本並に張る。しょぼめのサンドイッチを食べ、ギネスを一杯飲んだら400R近くかかる。でも、ゆっくり落ち着いて久々の生ギネスを飲めたのには代え難い。8時近いので宿を目指すが、地下鉄の駅はちと複雑。同じ駅でも名前がいくつかあったりする。しばしグルグルまわった後、どうにか7番の線に乗れ、ベゴバヤに戻る。しかし、そっからがまたよくわかんない。ホテルでもらった手書き地図は宿に忘れてきた。こうなったらコンパスを頼りに進むしかない。途中、赤ちゃんを連れた若いお母さんに聞いて、ようやく道が判明。競馬場に出てどうにかホテルを発見。少し食べたりないので、昨日、送迎時に運転手が寄っていた24時間営業の店へ行きサラダを買って帰る。
洗濯をすべく、朝のオカダさんを訪ねる。ヨシムラさんの話では、飛行機の重量制限20kgを超えると、高い金を取られるという。なら、やっぱ鉄道でヘルシンキあたりに脱出の方が無難かなあと、オカダさんに意見を求めるが、それは自分で決めて下さいとキッチリ。さすが、単身ロシアで働いている方は厳しいのだ。無事、出国出来るかどうかのスリルがあってこそ、ロシアの旅は楽しいのだと仰る。それって何かマゾヒスティックな楽しみという気が。まあ、楽しようとするのはいかんのだろうね、やっぱり。その点、まだまだ当方は修行が足りぬということか。とまれ、やたら時間のかかる洗濯の合間に、部屋の冷蔵庫のビールを飲みつつサラダを食べる。食堂の仕事を終えたヨシムラさんが訪ねてきて、色々話を聴く。ホテルの客室に住み込みで、彼の部屋へ行くと、丸っきり日本の若者のアパートの1室って感じ。。パソコン2台にミキサーだのシーケンサーだのがドンと陣取る。PCで本格的に音楽作りに励んでいるそう。とりわけロシアの2,30年代のグラフィックアートや写真、建築等に惹かれて、熱心に美術館等へ通っているそう。そういう強い憧れとかないと、ロシアじゃやってけんよなあ。
このホテルの客は大半が商社マンで長期滞在、中には4年住んでいる人もいるそう。ホテル暮らしかあ、経費削減に勤しむ企業が多いはずだけど、まだそういう金は出すんだねえ。僕自身は海外にいる際に日本食を渇望することはほとんどないのだけど、単身こういう国に仕事で来てるとなると、宿で食べる日本食が数少ない慰めってなことになるのかも知れない。まあ、この国でビジネスをしようとする際の苦労の程は門外漢でもうかがえる。何せ、経済活動の6割は闇もんの上、銀行はごく一部の財閥やマフィア用で、一般庶民は利用も信用もしてない。官僚体質の染み込んだ連中の融通の効かなさは半端じゃない。そも、国民性からして勤勉とは言い難く、やたら休みを取る上、国民の4分の1はアル中ときている。こういうとこでマジにやってこうとしたら頭狂いそうだよね、僕なら。そういう熾烈な日々を送るビジネスマンたちの中に、突如現れた呑気な旅行者。それ故、ヨシムラさんには僕の存在が新鮮だったらしい。何か、話聴いてると、何でここにオレがいるんだろ?って気がしてきた。でも、この異国で、夜な夜な居酒屋風メニューと日本のビールで憂さ晴らしするオジサンたちの姿って、悪いけど何かとっても興味深くはある。
ヨシムラさん曰く、ロシアの経済が軌道に乗るのは10年はかかるのではないかとのこと。何より、話聴いてるとまっとうじゃないことが多すぎて、そういうものを正した上で、先進国並のレベルを目指すのは、何かものすごく遠い先の話に思える。つまるところ、ロシア旅行はバウチャー旅であるか否かとかが問題なのではない。そもそもここは呑気に観光するような国じゃあないのだと思う。大体、観光客の受入態勢が出来ちゃいないとこなんだから。これは自分への反省でもあるのだけど、ちょっと興味があるとかいう程度ではロシアには来ない方がいいと思う。そのレベルだと、不快な思いをして、この国を嫌いになって帰っていくのがオチだからだ。例えばヨシムラさんのようにアートを志すとか、文学や語学を学びたい、例え不快な目に遭っても差別されても踏みつけられても、それでもこの国にどうしても来たいんだと、その位の覚悟をした上で来るべき国という気がするのだけど、如何なもんでしょ?結論を出すには、まだちと早いけど、これは、約3週間を過ごした時点での、僕の現在の偽らざる心境であります。やっぱり世界は僕らが考える程単純じゃあないす。そんな思いに浸りつつ、ヨシムラさんの部屋を辞し、床に着いたのは3時近くだった。
本日の出費:TC両替40ドル→1156R 地下鉄10R パブ飲み代377.6R サラダ18R 計405.6R

・8月21日(火) モスクワ 2日目 露行初のオノボリさんデー
寝たのは遅かったが、宿代に込みの朝食を逃してはなるまいと8時に起きる。出てきた朝食メニューは、塩鮭、焼き海苔、味噌汁、酢の物、ご飯・・・旅館のメシだな、こりゃ。これからビジネスに向う人達が、この朝定食を黙々と食べている。いや〜、ヨシムラさんの部屋といい、ここは一体どこなの?という感じ。オカダさんに決断を迫られ、明後日飛行機でトルコヘ脱出を図ると決める。午前中しばし待っていると、200ドル程度で手配出きるとのこと。まあ、200ドルならドブに捨てることになっても、まあ立ち直れる金額だから・・。眠いのでウダウダしてたが、掃除のお姉さんに悪いので11時には外出。
やはり、モスクワに行ったぞってためには、クレムリンに行かねば。多少迷いつつも辿りつき、チケットを買う。特別展示みたいのは抜きで、基本のチケットとカメラ持ちこみ料を払う。250R也に荷物預け料60R。300Rを超える高額?とあらば、じっくり時間をかけてイヤと言う程見尽くしてやらにゃあ(どうしてもこの辺セコイ)。見物は寺院の中身でありましょう。壁から高い天井までビッシリと描かれたるは、あれがイコンって奴?宗教画の数々であります。これに展示品が並ぶというパターン。アルハンゲリスキー寺院にはイワン雷帝の遺体も置いてあるのだけど、中身が見えるわけではない。ま、この手の大型観光名所にありがちだけど、フ〜ン位の感想。警備の警官はやたらいっぱいいるのだけど、さすがにここでは観光客にたかったりはしない。入場料が高いからスリみたいのも少なそうで、ここはモスクワで一番安全な場所という気がする。他の観光客に交じってカメラ掲げて写真撮りまくり、安心してオノボリさんに徹することが出来る場所なのだ。考えてみれば、こういう本格的な観光って、ロシアに来てから初めてではないか。


モスクワおのぼり観光写真シリーズ、左:クレムリンのウスペンスキー寺院、右:その中身
更に、昨日もチラと来た赤の広場へ。レーニン廊の兵隊の清まし顔を見た後、あのタマネギ頭の聖ワシリー寺院へ。めんどくさいので中には入らなかった。腹が減ったのでグムへ行くが、いい食堂が見当たらない。むしろ横の広場の地下のショッピングセンターの方がベターで、そこのピザ屋で昼食。やはりちと高め。地下にはかなり大規模なネット・カフェあり。腹が膨らんだところで劇場通りへ。演目は見ないが、ボリショイ劇場(右画像)の外観のみ眺めた後、旧KGBの建物へ行こうとするが、パトカーがいっぱい停まっていたので止める(苦笑)。ちと先だが、人形劇場というのがあるので、あわよくば見てみたいと思い、かなり歩くが見当たらず。地下鉄でまたさっきの広場へ戻り、ネットカフェへ。受付は英語が通じ、料金は1時間60R、24時間営業。50台位のPCが並ぶ。でも日本語が打てないとあまり見るべきサイトはない。一休みしたに過ぎなかった感じ。


モスクワおのぼり観光写真シリーズ2、左:赤の広場の聖ワシリー寺院だけど改装中、右:ボリショイ劇場
やはり寝不足のせいか、疲れが早い。本屋、CD屋をひやかしつ、トベルスカヤ通りを登って行く。ルースカエ・ビストロがあったので、ちと早いが夕食。テキトーにピロシキを3つとビール。そこは主にテイクアウト用の店で、ちゃんと食べられる店は向いの通りだった。とまれ、夕食も終え、もう帰りモード。地下鉄は5回券を買いながら3回しか乗らなかった。宿までちと遠いけど、朝同様、ベラルースカヤ駅で降り通りを歩く。チアトル・ロマンこと、ジプシー劇場があるとのことで捜すが、何と宿から歩いて来れる距離ではないか。ジプシー音楽のライヴなぞ聞けたらと、切符売り場を訪ねるが、現在はフツーのバレエの公演中。でも、ロシアに来てこの手のものを一回位見てもいいかなあと思う。ルーブルも余りそうだし。因みに開演は8時50分で、料金は750〜400R程。とりあえず、バルチカ・ビール買って帰る。
宿へ戻ると、もう飛行機のチケットが。明後日10時15分発。やはり格安チケットだから朝が早いのだ。片道だと230ドル位だが、往復で買ったら170ドルの安さ!何だかんだロシアの物価安いじゃん。宿とかレストランを除いては。170ドルならドブに捨ててもって、さっきも書いたか。朝早いのは辛いけど。さあ無事乗れるんだかどうか。あまり多くは期待せず、肝を据えて望んだろうじゃないの。ついに今日は警官ストップ受けず。明日ももう1日ブラブラすっとすっか。
本日の出費:地下鉄5回券20R クレムリン入場料+カメラ持込料+荷物預かり料310R 昼食157.5R 水10R
ネットカフェ60R トイレ6R ビール19R 夕食97R 計729.5R
→ もう少しだけモスクワいってみませう
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