世・界・一・周旅日記

 ・3月30日(土) ハマ → パルミラ シリア一の観光地=シリア一うざい村

 7時前に起きた。徐に昨日の夕食の残りのご飯とジャガイモをモクモクと食べる。荷物整理は、酔っ払いながらも昨晩のうちにやっておいた。7時半前に宿を出てバス停へ。パルミラ行きバスは85spという。昨日聞いたら80spだったはずなのに、ボリ?白人二人以外はジモティ。例によって寝に徹するが、今日は珍しくずっと好天。バスの中でサービスめいたものはあったが、水だけ。途中停車したターミナルでトイレに入った際、番人が釣りをよこそうとしなかったり。どーも、これから行くパルミラもイヤな予感がするな。その予感、的中するのだけど。

 ウツラしつつも、窓の外を眺めると、既に砂漠、砂漠。こうこなくっちゃ、これなら雨は降らないだろう。車内も結構暑い。3時間位のとこで停車し、何乗換えか?と思ったら、もうパルミラに着いていた。インド以来久々のウザイ客引きさん登場。また市内から少し離れたとこに停まったようで、5spのセルビスに乗るが、客引きは一緒に乗りこんできて、ずっと喋ってる。“少し黙れ”と言ってやる。目指すは、情報ノートで評判のサン・ホテル。しかし、フロント誰もいない。呼べども誰も出てこない。仕方なく、そこに荷物を置いて、客引きがうざかったシタデル・ホテルも見てみるが、150spとはいえ、独房部屋はいやだ。ようやく宿の人間が現れたサン、ダブルを学生割引(後でパスポート見られたのでバレバレ)!して250spという。シリアに来て以来、200sp台(つまり500円以上)の宿は初めてなので躊躇するが、朝食も込みというし、評判を信じて泊まることに。後で情報ノートを見たら、同じ部屋に150spで泊まった日本人多数。やられたぜ!

 パルミラ滞在は2日で済まそうと思ってるので、荷物を置いたら急ぎ観光へ繰り出す。先程のシタデル・ホテルのレストランでせこいサンドイッチを買い、頬張りつつ、1時に一度閉まるらしいベル神殿へ。ここも学生証提示で15sp。えー、パルミラと申しますは、砂漠の中の古代オアシス都市。紀元前より栄えていたところだそうで、都市国家がまるまる、その形跡をとどめている。従って、2,3km四方に遺跡が点在し、見渡す限り遺跡って感じで、ちょっと異様にさえ映る。中でも最も保存状態がよくスケールが大きいのがベル神殿で、ここのみ有料。あとは勝手に見てまわってよいことになってる。ところが、そこへ行くまでにつきまとう輩が多数。“ラクダは楽だ〜”なぞとヌカす連中がウジャウジャ。所詮はシリア人だから大したことなかろうと思うが、結構うざい。昼飯食い足りないので、屋台のピザみたいのを買おうとしたら、横から50sp!などとふっかけてくるフザケタ奴がいて、あっち行けと追い払うと逆ギレ。“アナタハクルクルパ〜!”とか死ぬまで叫んでやがった。誰が教えてんだ、全く!

 しばらくはウザイ奴らに腹が立って遺跡どころではなかったが、ベル神殿を見終わり、広大な砂漠に広がる遺跡群を眺めていたら、さすがに瑣末な事は気にならなくなってきた。何せ、ここはスケールが壮大。昨日のアパミアが全然せせこましく見えてしまう。結果的に、シリアは北から下りてくるのが正解なのかも。やっぱりここはシリア観光の一つのクライマックスであることには間違いない。入口にあたる記念門から1kmも歩けば、ラクダ使いやら何やらもいなくなり、じっくりと自分のペースで遺跡見物ができるように。塔墓が並ぶ墓の谷まで行くと、他の観光客もまばら。古代のロマンの世界に存分に没入できる。こういうスケールの大きな観光地はカッパドキア以来かな。

 遺跡群の中程にある劇場跡も保存状態良好(右画像)。ここで民族舞踊などが見られるフェスティバルは,生憎来月の開催だそうな。この、徒歩圏内の遺跡群に加え、更に数km先に、大きな塔墓と山の頂上にアラブ城という見所がある。タクシーかツアーでって話だったが、実際来てみれば、徒歩でも行けそうな距離だ。観光局のお姉さんもそう言ってたし。時間的にもまだ余裕なので、エラベール家の塔墓まで歩いていく。ところが、ここは博物館の入場券がないと中には入れない。必然、明日は朝いち博物館ってことになる。アラブ城も30分位で行けそうだ。しばし丘の上で遺跡群を眺めた後、再びメインの遺跡郡の集まるところへ戻る。すると、カフィーヤおじさんが手招き。シャイを飲んで休んでけという。まあ、こういうのは下心アリアリなのだろうが、ちょうど休みたかったとこなので、おっさんについて行く。

 おっさん、家族と共に遺跡の側の粗末な家に住んでいる。仕事は何なのか?と聞くが曖昧な返事だったが、シャイを2、3杯つがれたところで、案の定、カフィーヤだの織物だのを買えといってきた。お土産系に興味なく、荷物も増やしたくなく、おまけにこんなとこで買ったら高いに決まってるのを承知なので、買う気は毛頭ない。おっさんがムッとする中、シャイ代10spだけ払って辞す。4時位に、一旦とりあえず見物を切り上げる。これ、朝からがんばれば1日で制覇も不可能ではない。宿へ戻る道すがら、さっきの逆ギレ小僧が、まだ“クルクルパー!”とか喚いている。うざくてしょーがないし、遺跡見物で少し気がほぐれたので、そいつのとこへ歩み寄って仲直りを持ちかけると、向こうもニッコリ。ここらは、やはりシリア人ですな。宿へ戻り、急ぎシャワーを浴び、宿の主人に、どこかで酒売ってないか聞く。この町、酒屋がないのだ。昨晩で持ってた酒を全部空けちまったのは失敗だった。近くのホテルで、70spの高いシリア・ビールを買い、水筒に入れて!再び遺跡へ。

 夕暮れに染まる遺跡を見なきゃってことで、昼間おっさんに声かけられた一番奥の城砦まで進む。意外と夕陽見物客ってのはいないようでヒッソリ。生憎、雲がかかって夕陽の見え具合は今イチ。薄暗くなりつつある中、しばし遺跡郡を眺めていると、子連れのアラブ女性二人がこちらへ。どうやらさっきのおっさんのカミさん&娘らしく、またシャイを飲みにこないかと言う。シャイはさっき飲んだからというと、写真撮ってくれという、生憎か幸いか電池切れ。娘の方から握手を求めてきたのには驚いたが、要はバクシーシ要求である。あげないよと言ったら、サッサと去って行ったけど。明日は懐中電灯+防寒具持参で来ることにしませう。

 夕食は宿で取ることに。情報ノートでは好評だったので。しかし、食べる前から料金を取りに来たり、ここのおっさん(実は20代)何か抜け目無いっつーか、ホントに信用していいのか、どうも諮りかねる。ただ夕食そのものは、ボリュームがあって満足のいくものだった。お茶位出して欲しかったけどね。何か客が少なくて、雑に扱われている気がしないでもない。まだ7時半。アルコールもない、長い長い夜は、ひたすら日記書きであります。しかし、何だか電気がやたら切れたりするのが気になるね。ま、明日も張り切って観光っす。


とにかく見渡す限り遺跡であります

本日の出費:パルミラ行きバス85sp シャイ10sp トイレ5sp セルヴィス5sp 昼食25sp 宿代x2 500sp
ベル神殿入場料15sp ポテチx2 10sp 夕食50sp ビール70sp 計775sp


 ・3月31日(日) パルミラ 2日目 砂漠にも雨は降る・・・

本日の観光ポイント:博物館、アラブ城

これがアラブの朝食だ。中央はゆで卵の殻で、手前はナツメ?、時計回りに何かよくわからない漬物、すごく甘い栗?の煮たの、すごくしょっぱいチーズ、アラブ・パンのホブス、シャイ(紅茶)入りヤカン、オリーブであります。大満足。

 今泊まってる宿(サン・ホテル)は家族経営のとこだけど、何だか夜、家族がうるさい。どうも客より自分たち優先ってのは、日本以外の国ではありがちな傾向らしい。何か朝方パラパラ音がしていたが、まさかの雨!砂漠だろ、ここ?雨降ったら砂漠とちゃうやんか。やだねぇ。9時に出た宿の朝食はご覧の通りの豪華版。うん、この宿、メシはいいぞ。雨は一応止んだようで、恐る恐る屋上に昨日洗ったジーンズと靴を干す。何か乾きそうもないなあ。ともかくも観光開始。再び降り出す危険性もあるので、まずは博物館。

 最初に博物館なのは、もう一つ理由が。昨日行って入れなかったエラベール家の塔墓、ここのチケットと共通なのだ。まあ博物館は、よくある博物館であります。ただ、パルミラからは相当状態のいい彫刻類が掘り出されている。でも、本当にいいヤツは、例によって大英だのルーブルだのが、かっぱらってってるのかも知れないけど。さて、どうにか降雨一歩手前で踏みとどまってるので、徒歩で岩山に聳えるアラブ城(左画像)に向かう。麓からの登りは結構きつい。30分弱で登頂。別料金で10sp取られた。ここの歴史的背景とかガイドには載ってないのだけど、まあ眺めは壮観であります。パルミラの遺跡ウジャウジャが眺められます。修学旅行みたいな子供の大群がやってきたので、捕まらないうちに去る。更に歩いてエラベール家の塔墓へ。

 城を出た途端、突風。今日はコンタクトなので、目に砂が入って痛い。考えてみれば砂漠でコンタクトはないわな。谷を二つ位越えると目的地なのだが、これまたちと険しい。道路沿いに歩いていたら、親切なシリア人一家が乗ってけと言ってくれたようだったけど、方向が逆なので丁重にお断りする。途中、小用足したりしつ、ついに塔墓に辿り着いた時は、何か達成感あったなあ。ところが塔墓、閉まっていた(撃沈)。何でじゃ?シリア人も何人か来ていたが、彼らもわからんという感じだった。ラジカセで音楽を鳴らしながらやってきたシリア人のおのぼりさんたち、突如僕の手を取って音楽にあわせて踊り出す。僕も見様見真似でステップを踏む。おお、楽しーじゃないですか。おっさんの一人がヴィデオ撮ってたけど、デジカメで1枚撮ってもらえばよかった。これが楽しかったから、ここはこれでまあいいか(苦笑)。

 一旦、町へ戻りランチだが、ここいらにはツーリスティックな店しかない。例によって少しはずれの少し汚めの店を何軒かあたるが、値段はしっかり高い。ある店で“ロースト・チキンとファラーフェルとシュワルマとカバブとフールとホンモス(この10日ひたすら以上のものを食べてきた)以外の食べ物はないか?”と聞くと、“全部あるよ”って、違うつーに。で、毎度お馴染み鳥グルグルの店(ロースト・チキンが並べられて焼かれている)に、ベドウイン・マンサフとかというライスのメニューがあったので、少し高い(125sp)がそれを頼んでみる。すると、炊き込みご飯みたいなのに、羊肉の切れ端が少々のってるだけ。これがあの値段?隣のおっさんのカバブの方がずっと豪勢。あまりに寂しいのでホンモス(豆のペースト)も頼んで、150sp。値段に反比例して満足度低し。考えてみればベドウィンが、そんな大したもん食うわけないやなあ。

 残すところ、パルミラの見所は、4,5km先にあるらしい、三兄弟の地下墳墓ってやつ。地下には壁画があるそうな。ここも徒歩で行ったろうってのだが、今にも雨がぱらつきそう。長い距離で、帰りに雨が降り出したら悲惨だわなあ。しかし、意を決して向かう。と、途端、雨が。わ、やめ、観光終了と引き返しかけたが、降りも弱いので、やはり向かう。一路西へ向かい、町一番の高級ホテルまで来ると、目的地はもうすぐ。念の為、そのホテルの守衛さんに尋ねたところ、“すぐそこだが、今日は開いてないぞ”とのこと。またかぁ?雨で客が少なかったりすると、閉めちまうのか、ここらの遺跡?もーえーわ、でも行くだけ行ったるってことで、ついに到達。成程、閉まっとるわ。ま、ツアーとかじゃないと行けないとかいうこれらを、全て徒歩で制覇したことに意義がある?やせ我慢はよして、寒いから戻ることに。と、また雨。急げーと歩いていると、おお、軽トラのおっさんが停まってくれたではないか。すわ、乗り込むが、“1ドルでいい”っておいおい、タダちゃうのか?有料なら歩くわと、降りようとすると25spまで下がったので、結局乗せてもらうことに。“歩くには遠いし、今日は寒いからな”って、だったらタダで乗せてよ。タクシー初乗り分の料金だったな、考えてみれば・・・

 時間は4時。もうこれでパルミラ観光終わりであります。夕陽も見れないだろうし。まあ、見るものは昨日見たから、さして悔いはなし。むしろ昨日1日好天だったのは幸運だったかも。道理で何か観光客が少ないわけだ。さて、グラサンのネジが緩んでしまったので、細いドライヴァー貸してもらえんかと眼鏡屋を探すが見当たらない。歩いていたら、サッカー小僧の一群に出くわし、しばし付き合う羽目に。サッカー好きの国を旅していると、ありがちなパターンであります。走って、体は少し温まる。デイパックにつけてるペンに目をつけられ、クレクレとか言い始め、折しもまた降り出したので“マアッサラーマ〜(サイナラ〜)”と去る。今日は寒くてビール飲む気もせんし、夜は長いぞ〜

 宿で「歩き方」を読んで、次なる国ヨルダンの研究。しかし、シリアに較べてヨルダン、今一つ旅行者の評判が芳しくない。シリア程“人は良くない、物価安くない、見るとこない”というもの。ただ、映画「アラビアのロレンス」が好きな僕としては、あの映画の舞台になっていて、かつロケ地にも使用されている地なので、結構ロマンを感じているのだが。でも、要はアンマンからの日帰りツアーとかで事足りるところが多そうで、そうなると、多分ヴィザ期限の2週間内で余裕で廻れそうだ。そうなると1週間が浮く。まあすぐにエジプト行って、そこやスペイン等で7月11日位まで(13日のベルリンのラヴ・パレード参加が、現在、唯一確実にフィクスしたデートなのだ)引っ張るのでも構わない。でもいっそのことレバノン行きはどうか?レバノンは、多分、イスラエル絡みでコースから外したのだと思うが、治安的には問題ないようだし、シリアへの再入国も可能らしい(シリアにもう一回入らないとヨルダンへ行けない。イスラエルを通れば行けるが、イスラエルは行かない!)。またぞろ出ました、気まぐれルート変更の虫が。ともあれ、そうと決まればレバノンの情報収集をせにゃと宿の情報ノートを改めてじっくり読む。ダマスカスの宿でもノートを見れば大丈夫だろう。レバノンは小さな国なので、ベイルートとバール・ベック見物で1週間ちょいで充分とみる。行きまっせー、中東、もう1ヶ月半。

 今日も夕食は宿で。代金を100spで払うが、なかなか釣りをくれず気になる。どうも、この宿の主、オヤジ顔ながら実は25歳のアハメド、信用がおけないのだ。白人女性とかには、かなり愛想がいいが、僕はほぼほったらかしだ。夕食は今日も満足いくものだったが、食後のシャイ位飲みたい。白人には出してたぞ、全く。部屋で自分で日本茶入れて飲む。洗濯物は、ジーンズはほぼ乾いたが靴が絶望的。今日は寒いので、隣のベッドの毛布もかけて寝るべし。ダマスカスもこんな調子かなあ?地中海沿いのレバノンも、実はラタキアみたいに雨づくしだったり。今後シリアを含む中東エリアへ向かう方、3月に行くのはやめましょうね。まだ冬で雨季であります。4月以降をオススメしますです・・・

本日の出費:博物館入場料15sp アラブ城入場料10sp 昼食150sp お車代25sp 夕食50sp 計250sp
→ いざ、首都へ ダマスカス

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