世・界・一・周旅日記

 ・9月6日(金) ジョグジャカルタ  ベチャベチャとうるさいっつーの!


サイクルリクシャよりもうるさいかも知れない、ベチャの運転手

  その後、バスはソロを含め3回位停まったらしい。でも覚えてないってことは、そこそこ寝ていたらしい。朝の7時位にバスが停車し降ろされる。こっちは寝惚けていて、てっきり乗り換えか何かさせられるのかと思っていた。でも、そこがもうジョグジャだったのだ。多少、客引き等が寄ってきたが、構わず西に向かって歩き出す。宿がたまっているプラウイロタマン地区までは1km程度の距離のはず。でも、これが結構遠いんだよね。久々にバカ荷物持ってかなり歩いたなあ。

 クーンは、より安い宿が密集するソスロ地区に滞在を希望するが、とりあえずチェックすべしと、「歩き方」に載っているプラウイロタマン地区東端のサルティカというゲストハウスをあたる。シングル40,000〜50,000とまずまず。環境はよく上の階は眺めもよい。宿の従業員も穏やかそうだし、部屋は申し分なし。でも、クーンはもっと安い宿がいいってことで、少し捜してみるということに。僕は、もうここですっかり落ち着く気でいる。レセプションで聞いたら、3ベッドの部屋を二人でシェアでもいいってことなので、クーンを呼び戻し、二人で60,000Rpってことで、そこに留まることに。眺めは3階の部屋が最高だったが、僕らの部屋は2階。それでも、プラウイロタマンの通りはそこそこ交通量もあるので、この宿はちょっとしたオアシスのようだ。ここらはプール付の中級宿が多くて、比較的落ち着いた雰囲気ではある。でも、通りをあるけば早速あちこちからお声がかかる。こちらではベチャと呼ばれる自転車駕籠引きが、インドのサイクルリクシャ顔負けにしつこく声をかけてくる。でも、安いらしいから後で使ってみてもよいかも。

 時差があって、こちらが1時間進んでいる。宿で飲み物だけ飲ませてもらい、朝食は近くの店で。ベルギー人経営のヴィアヴィアなる店へ寄るが、別にフーハルテン(ヒューガルテンの正しい発音)があるわけではない。単なるツーリスティックなレストラン。金がないはずのクーンも故郷恋しさ故か、そこで朝食を取るという。僕はジュースだけ飲んで付き合い、途中の屋台でバナナケーキを買って立ち食い。やっぱり彼とて白人ぞ。僕としては、まずはパフォーマンス場所チェックである。クーンも付き合うと言うので、王宮方面に向かって歩く。

 し、しかし暑いぞ、ここ。朝なのにジリジリだよ。思えばウブドは涼しかったわなあ。暑さに眠気も相俟って疲れること夥しい。「歩き方」の地図よりも実際の距離はかなり長く感じられるんだけど。やっと一ヶ所目、月曜と金曜にラーマーヤナのジャワ舞踊が演じられているという場所らしきところに着くが、幼稚園みたいなところで、そこなのかどうかは夜になってみないと定かではない。その少し先に、やはりラーマーヤナが演じられるレストランがあるはずだが、これがまた距離があったなあ。プラウイサタというやたら大きな敷地のレストランにやっと辿り着くが、パフォーマンスを見るだけで90,000Rp。ディナー込みだと150,000Rp。いくら好き者の私でもそれはパスです。

 大きな通りに出て、そこから西の王宮方面へ。細い道が入り組んでいてわかりにくいし、夜はここらは寂しそうであります。何だか、ここらは歩いていてもあまり面白くないねえ。とにかく、また結構歩いて、やっと王宮の北側入口に出る。毎朝のパフォーマンスの予定が切符売り場のところに出ていて、日替わりで影絵芝居だのジャワ舞踊等が見られるようだ。ただし、全て午前中なんであります。今日のところはパスして、更に北進。相変わらずうるさいベチャ・ドライヴァーたちを無視して繁華街のマリオボロ通りへ向かう。

 王宮の北側には大統領官邸だのの公共建物があるのだけど、周辺はTシャツだの何だのを売る露天がいっぱい並んでいる。どれも奇妙で、クーンに言わせると“キッチュな”光景ではある。その一帯を抜けると、マリオボロ通りに出て、通りの両脇は延々と露天が続く。ショッピングセンター等も並ぶが、細い通りに人がいっぱいで、スリさんたちの恰好の活躍の場という感じではある。もう、ここまで歩いて、僕は相当にバテバテ。コンビニで飲み物を買い、日陰で一休み。とりあえず観光局まで行き、聞くことを聞いたところで僕は宿に戻ることに。元気なクーンは更に歩いて、安宿エリアのソスロ地区をチェックしてくるとのこと。で、しばし別れ。

 でも正直言って別れてホッとする。僕はどうしても旅先で誰かとつるむのが苦手なんだよね。どこまでもマイ・ペース、単独行動の人なもんで。何か連れがいるのうざったくて。それに、一人になったらベチャ・ドライヴァーズから、あまりお声がかからなくなった。やっぱり長身の白人と一緒だと余計に目立つからね。クーンも見た目はかなり真っ当で、襟付きシャツなぞ着て如何にも金持ち白人っぽいから。で、時折カセットショップや雑誌スタンドなんかをひやかしながらトロトロ歩く。王宮のとこまで戻ったところでベチャに声をかけてみる。でも、7000Rpだの10,000Rpだのバティック、ジュエリー?だのロクなことを言わない。宿前にいた連中は1000や2000で乗せるっつってたぞ。だから、絶対に2000しか出さないと決め、数人に声をかけたところ、シブシブ付いてきた爺さんが。2000Rpでプラウイロタマン地区へ、ということで初ベチャ乗りとなる。

 何だかなあ、交渉の面倒くささということではヴァラナシのサイクル・リクシャよりも利用のし甲斐が無さそうだぞ。ただサイクルリクシャが、自転車が前で駕籠が後で、苦しそうに漕いでいるのが見えて、つい同情してしまいがちなのに対し、ベチャは自転車が後なので、心を鬼にして(笑)こちらの言い値を貫くことが出来る。その爺さんは2000しか渡さなくても別に文句は言わなかった。少し ジャラン・プラウイロタマンを戻り、今朝少し寄った際、割とマジメそうな兄ちゃんがいた旅行代理店で、1万円を両替する。レートは両替商の方が銀行より全然いいのだ。723,000Rpを手にし、ついでに近くにスーパーがないかと聞くと、コンビニのKマートの場所を教えてくれた。そこの向かいの屋台のナシゴレンでランチ。缶ギネス買って部屋へ。クーンが一足先に戻っていたが、僕はシャワー浴びてビールを飲んで寝の態勢。結局、ソスロあたりも宿代は同レベルで、なら環境が良いこっちの方がマシってことで納得したようだ。逆に、僕がソスロ辺りに移りたいなあとか思い始めたり。

 3時頃に寝て、2時間丸々寝てたみたい。ここらは夕暮れは早く、6時位にはもう暗くなってくる。とりあえず、今晩の夜の娯楽は、一番近場で見られるラーマーヤナってことにして、7時に夕食に出る。ビールが飲みたいので、白人系の近くの店で。ここに来たら食べてみたかったアヤム・ゴレン(フライド・チキン)を頼むが、せこいのが3つだけ。そこのレストラン、よく見たらフレンチって振れこみ。せこいわけだ。ビールで腹を膨らませて、また歩きで、パフォーマンスのある場所へ。

 昼間チェックした幼稚園みたいなところが、やはりダラム・プジョクスマンという舞踊の行われる場所だった。ウブドと違い、観光客は5,6人程度でさして混んでいないのがウレシイ。でも、なかなか広い舞台で、ガムランも本格編成。楽器の作りもバリのとは微妙に違う感じ。女性3人、男性1人の歌い手さんが中央にいて、おばちゃんはたまに鼻などほじくりつ歌う。バックの演奏陣も演奏がない時はタバコ吸ってたりというリラックス・ムード。まずは女性の踊り手がソロで踊る。バリ舞踊のような手の平45度のクネクネはなく、大仏様のような手つき。目のグリグリもない。まあ言ってみれば地味な舞であります。

 

 続く、ラーマーヤナのストーリーも、時折セリフが入って、より物語調だ。しかし、ハヌマンはわかったけど(上右画像)、後の登場人物が、ラーマとアクサマナなのかシータとラワナの姪なのか、よくわからず。剣を携えていたからラーマたちだったと思うんだけどなあ(上左画像)。「ラーマーヤナ」理解まだまだであります。で、見せ場はハヌマンの戦闘シーンなのだが、無敵のハヌマンも敵役にかなり苦しめられる。ま、最後は勿論勝つんだけど。バリの舞踊程単純化されてわかりやすくなってない印象だ。でも何より人が少なくて落ち着いて見ていられるし、安いのがいいね。じっくり見ていけば、もっとジャワとバリの違いがよくわかって興味深いだろうな。ここ、毎週舞踊があるってガイドには書いてあったけど、月金だけらしい。クーンは結構気に入ったようで、月曜も来ようかなんて言ってる。

 帰りも当然歩きである。ここはとにかく歩かねばならないのが辛い。頼みのベチャは高いし市バスはスリが怖いし。やっぱバリの方が狭い分便利かなあ。ここは早めに切り上げようか?

本日の出費:朝食5500Rp 昼食2500Rp ベチャ2000Rp 宿代30000Rp 飲み物3000Rp 買物15900Rp 夕食20000Rp ビール7000Rp ラーマーヤナ30000Rp 計115,900Rp


 ・9月7日(土) ジョグジャカルタ 2日目  ダンドゥット・ショウに大コーフン!

本日の観光ポイント:王宮、水の宮殿

  今日も清く正しく早起きである。久方ぶりにエザーンで起こされたのだ。暑いとこは、あんまりイスラムが似合わない気がするけど、ここもしっかり1日5回鳴り響きます。起きた時間に頼めば、宿は迅速に朝食を用意してくれる。トースト3枚にゆで卵、バナナにコピかテーと充分な量だ。クーンと共に朝いち向かったのは、クラトン(王宮)。勿論、歩きであります。「歩き方」にはパフォーマンス等を見るには南側の入口なんて書いてあったが、やっぱり北側でありました。オレ、完全にクーン先生を振りまわしているね。スルタンに仕えていると称する輩が、パフォーマンスは11時からとかヌカしていたが、やはり9時からだった。まだ時間があるから、その間にバティック・ショップへって寸法か?トルコでは全てが最後には絨毯屋に行きついたが、ここではバティック屋なのである。大体バティックって何さ?相変わらずよくわかってないワタシ・・・

 とまれ、王宮である。カメラ持ち込み料含め8,000Rpを払い、希望者には有料でガイドがつく。入ってすぐにパフォーマンスの行われる建物が。土曜の朝はジャワ名物の影絵芝居ワヤン・クリである。さすがに本場だけあってガムランも20人位の編成で、女性の歌い手さんもいる。ただ、明るい中で影絵ってのは、どうも雰囲気が今イチではある。しかし、ウブドで見た影絵芝居は、やはり観光客を意識して、退屈しないような見せ方をしていたけど、ここのはいい意味で本格的というか、影絵がなかなか動かない。ガムランはジャンジャン鳴り響くも、語りが多くて人形は一向に動き出さず。アメリカ人とか文化的でない人々?でなくとも10分もいれば退屈する。しかも、これが4時間続くのだ。先に王宮を見て1時間後位にくれば、きっともう少し動いていることだろうってことで、まずは王宮見物。

 しかし、王宮なんてどこも似たようなもんである。タイでもカンボジアでもインドでもそうだけど、豪華な調度品とかが並ぶのを、ヘ〜って感じで眺めるのみ。自国の人じゃなきゃ興味ないだろうな、王様の持ち物自慢なんて。でも、この王宮もせいぜい18世紀に建てられたもので、京都とか程の歴史があるわけではない。しかも建てたのはオランダかどっかだろうし。で、やっぱりガイドなんかつけず、そそくさと見てまわった後、影絵芝居に戻ると、まだあんまり動いてなかった(笑)。それでも最初から座っていたジャパニーズ・ガールズたちはまだ居残っていて、さすがにエライ?と言うか。白人勢はとっくに消えてます。で、僕らもしばし座って見るのだが、さしものクーンも退屈し、外でタバコ吸ってるという。その後、戦闘シーンも始まったので、僕はもう少し見たかったが、今晩も見るだろうから15分位で出る。



 次は隣接の水の宮殿へ。ここがまたトンデモナイ場所ってーか、プールでスルタンの妻や愛人たちが行水して、スルタンはそれを見てニヤニヤ悦に入ったとか。塔の天辺から眺めて晩のお相手を物色したというような場所なんだそうです(左画像、塔がそのピーピング・ポイントで、その手前が現在は水なしのプール)。スルタンになってみたかったですね。入場すると、入場料に込みだという英語ガイドがついてきて、そんなこんなを説明してくれる。しかし、タダ程高いものはありゃしない。迷路のような裏道に連れて行かれ、地下の宮殿を見物の後は、やっぱりバティック云々言い出す。ガイドそのものはよかったので、少しチップをあげてもいいかと思ったのだけど、やっぱりバティックだったので、1Rpも払わずに別れる。ま、穏やかな方ではあったけどね。

 今日は割と涼しく、散策にはよい気候だ。で、昨日バテてしまって歩けなかったマリオボロ通りをじっくり散策するとする。クーンは長ズボンが暑いので、宿に戻って着替えるというので別れる。冷房の効いたショッピングセンターのようなところに入って、そこの3階のフードコートでランチ。またしてもアヤム・ゴレンは量がしょぼかった。しかし、インドネシアの食堂は衛生度の点で、少なくともタイより劣るし、下手するとインドよりバッチかったりするかも。この数ヶ月きれいなとこばかりだったから目立つのかも知れないけど。フードコートも小さなゴッキーいっぱいでした。

 更に北進、鉄道駅を過ぎると急に人気が少なくなる。北上してトゥグの塔とかいうのがあるとこまで出て、東へ。映画館とかディスコとかがあるはずだが、交通量が増えて少しばかりホテルが立ち並ぶ程度で面白い場所はなし。歩くのがたるいので、試しにバスに乗って戻ってみるとする。4番だか2番だかはマリオボロ通りを南進したと思うので、それに乗る。ジョグジャのバスは案外便利で、手を挙げればどこでも停まるし、降りたければ窓ガラスとかをカチカチ叩けば、どこでも降りられる。料金は1000Rp。空いていればスリの心配もないだろう。鉄道駅まで戻ったところで降りる。

 あとはカセット屋の物色。日本でコピーしてきた資料を片手に捜すが、やはり流行り廃りは激しいようで、資料にはない歌手のものばかり。結局、ディスプレイの多いやつとかをカンで買ってみるよりない。3軒位あたって一番大きな店で、結局試聴はせぬままクロンチョン、ダンドゥット、ポップ・インドネシアのを1本ずつ買う。あんまり安くはなくて(12000〜18000Rp)、宿代よりも使っちゃったぞ。更に街頭スタンドで音楽雑誌を物色するが、ベチャ・オヤジがうるさくて落ち着いて捜せず。“ベチャ?ベチャ?”と言ってくる相手には、手をかざして“チャチャチャ、ケチャケチャ”とかやってみるんだけど、全然ウケてくれない(苦笑)。ベタなギャグに対する反応は世界共通なんでありますね。

 安宿エリアのソスロ地区も歩いてみるが、実にカオサン・ロードに似ていること。こっちに宿を取ったら、ジョグジャの印象がだいぶ違ったかも知れない。王宮近くまで出て、今度は15番バスに乗る。プラウイロタマン地区まであと500m位のところで進路が変わったので、そこで下車。実はそのまま乗ってれば宿の側まで行くことを後で知ったけど。でも、バスが使えることがわかれば、ここでの行動範囲も少し広がってくる。因みにビーチ行きのバスは宿のすぐ近くから出ている。明日暑かったら、ちとビーチ行ってみるのもいいかも。

 ここで不便なのが、ビールを真っ当な値段で買えるのが500m離れたコンビニしかないこと。近くの露店で買おうとしたら、ジジイがビンタンの小瓶が10,000Rpとかヌカしてきた。ここはヴェトナムか!?宿に戻ってビール飲みつ日記書き。BGはウブドで買ったイッケ・ヌルジャナーという女性歌手のテープ。すると、宿の兄さん(歳を取っているようにも見えるが年齢不詳)がニカニカとやってきてPCを珍しそうに眺めた後、“ダンドゥット(インドネシア歌謡)が好きですか?今晩、近くでショウがありますよ”てなことを何気に言う。何?どこどこ、どこで見られるの!?と色めきたって詰めよってしまう僕。どうやら、あの高いラーマーヤナ舞踊をやるレストランと同じ場所らしい。ただし、ダンドゥット・ショウは、わずか5000Rpの入場料だそうな。それは行かないでか。今晩はソノブドヨ博物館の影絵芝居を見るつもりだが、その後で、そこに寄ってみることに。

 夕食に行くというクーンには付き合わず、引き続き日記書き。それでも終わらぬまま7時。もう博物館に行かねば。こういうマイペースぶりは白人には理解できないとこなんじゃないかな?日本人にも理解されなかったりして。いやまあ、今回は向こうが好きでついて来た感じだからね。彼も結局、影絵芝居を見るということで、昼間覚えた15番バスを捕まえて一路北へ、と思いきや、バスはターミナルまで行って、そこで終点。あれ?ターミナルで、マリオボロに行くという4番バスに乗り換えたが、これがまたズンズン目的地とは逆方向に走り出す。一体、どこに向かっているんでしょ?何だか市内一周並に色々なとこをグルグル。ただし、僕としては、ジョグジャの土曜の夜の賑わいが眺められてよかったのだけど。でも、付き合わされたクーンはたまったもんじゃないわな。バス代払うから堪忍堪忍。いや、だから一人が気楽なんすよ。一人なら間違えたって何だって自分一人の責任でしょ?

 で、次のバスではまた妙なとこで降ろされた。途中、何やらステージがあって、インドネシア版オルタナティヴ・ロックみたいなライヴをやってたり。警官に聞いた道を行くと、おお、昼間見た郵便局だ。確かに王宮の近くには来ていたのでありました。早めに出たからいいものの、40分位グルグルまわって、やっと目的地に辿り着いた。しかし、マリオボロ通り周辺は、昼をも凌ぐ賑わいだ。何ともアジア的な光景であります。王宮方面に向かうと、ここだここだとか言ってくるオヤジあり。ベチャ野郎かと思いきや、我々が見んとする影絵芝居の客引き(苦笑)だった。僕は腹ペコなので、会場前の屋台で何やらパンケーキのようなものを買う。本当にバナナ・パンケーキだったのだけど。

 影絵芝居は、博物館の別館で行われ、博物館とは入場料も別。ステージを四方に囲む形で客席が設けられ、前からも後からも見られるようになっている。一応、“影”を見る通常の席に陣取ったが。やはり白人系観光客がそこそこ、日本人も数人、都合2,30人の観客。プリシンデンと呼ばれる女性歌手が甲高い声で歌い、大編成のガムランが音楽を奏でる。投影されるスクリーンもシネスコ・サイズって感じ。場面が変わる毎にグヌガンという宇宙観を象徴する樹木のような影人形が中央に振られる。ま、朝の王宮のよりは上演時間が短い分、見せ場がコンパクトに散らばっているのではあろうけど、やっぱり、なかなか動きませんね(右画像)。影だと「マハーバーラタ」のキャラクターもよくわかんないし。ハヌマン位だなあ。でも、人形の精緻さは影でも充分伝わる。影を見せるものなのに、色もしっかり塗られ、実に細かい装飾が施されている。スクリーンの両脇には人形が50体位並べられ、出番を待っている。あの人形は本当に芸術品だ。

 一応、戦闘シーン等もあるがウブドのバタバタし過ぎの程の派手さではない。勿論、英語のギャグなんぞもない。従って、退屈した観客達は次々と去って行く。文化への造詣がより深い?日本人たちでさえ居眠りを始めている。でも、戦闘シーンでのダラン(人形使い)のテクニックを裏から見たりするには恰好の環境(左画像)。王宮での公演ではダランのまわりにアシスタントのような人が4人位いたが、この晩の公演ではダランたった一人で全てをこなしている。しかし都合2時間は長いの何の。クーンは退屈で退屈で仕方がなかったそうだ。そりゃそうでしょ、僕だってかなり退屈したもん(笑)。帰り際、人形をボーっと眺めていたら、スタジオを見せてやるから来いと言われ、ホイホイついて行く。着色前の人形等を見せてもらうが、牛の皮だから意外に丈夫そうだ。要は、買ってくんねえか?ってお誘いなのだけど、結構マジでワヤン買いたいんだよね。でもなあ20$とかってーとなあ。確かにその位の価値はあるとは思うけどね。去る日までしばし考えるとしませう。

 10時にはバスはもう走ってない、というベチャ・オヤジの言葉は嘘ではなかったみたい。確かにバスが全然来ないので、また歩く。でも程なくプラウイサタに着く。成程、屋外ステージでライヴが繰り広げられているではないか。僕は喜び勇んで、クーンも渋々と入場。ビールを買って見物。MCみたいなおっさんの紹介に続いて、赤い衣装の女性歌手が登場。観客は95%男で、最前列は歌に合わせて熱狂的に妙な踊りを繰り広げている。歌手はといえば、演歌っぽい垢抜けないサウンドにのって、腰をグイグイくねらせながら歌う。おおー!これですよ、僕が見たかったのは!このチープさ、キッチュさ、たまりません。クーンをほったらかして、ステージ近くで食い入るように眺める。

 バンドはギター、ベース、ドラムにタンバリン、キーボード2人、そして竹笛、タブラに似た音のパーカッションという編成。やはり、サウンド的にはインドのポップの影響が大のよう。女性歌手も時折、インド女性歌手的なキンキン声でも歌ったりする。大体1人3曲位歌ったところで次の歌手に交代。替われば替わる程、衣装はセクシーさを増してまいります。何より腰であります。これでもかと、かなり扇情的に腰をグネグネさせまくって歌う。最前列の観客が舞台にジャンプして、歌手に手を握ってくれとせがむ。中には引き摺り下ろそうとする輩もいたり。歌い終わった歌手は、舞台袖したからコートなんか羽織って、僕の後方を通過してそそくさと去って行く。

画像から、この熱狂ぶりが伝わるか?右の歌手のように、皆グイグイと体をひねりまくって歌います

 10時半頃にやってきて、都合6人程の女性歌手のステージが見られた(上画像は2,3人目)。3人目が終わったところでカメラの電池が切れた。でも4人目の歌手が一番美形だったなあ。そして一番最後の歌手が、最も腰のぐねりが激しかった。大体、普段たまりまくっているムスリム男どもをこんなに兆発しちゃって大丈夫なのかね?ま、ここは南国のせいか中東とかに較べれば幾分開放的で、カップルなんかもよく見るけど。かくいう僕も久々にコーフンしちゃいましたね。いや、腰の話ばっかしてますが、サウンドも泥臭くてなかなかよかったです。いやあ、影絵芝居の10倍位よかった(笑)。情報をくれたレセプションの兄ちゃんに大感謝感激だ。コーフン収まらぬところだけど、僕に振りまわされて疲れ果てたらしく寝入っているクーンを起こさぬよう、僕も静かに床に就く。ああ、あの腰の夢を見そう・・・

本日の出費:宿代90,000Rp コーク4000Rp 扇子3000Rp 昼食7000Rp ビール7000Rp バスx2 2000Rp 王宮8,000Rp 水の宮殿2000Rp トイレ200Rp テープ49,500Rp ビール21500Rp 夕食3000Rp ワヤン・クリ5000Rp ダンドゥット5100Rp 計206,300Rp
でもまだ肝心のものを見ておりません ジョグジャカルタ 続き

旅日記メニュー